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次期魔王に雇われたが何かがおかしい  作者: 宮路広子
人狼騎士と魔王女一行 ~村人はどこに消えた騒動~
36/201

35 計画が実行されるが何かがおかしい

 ケイトの計画に従い、四つに組分けされたザイツ達と魔王兵は仕事にかかった。


[――っつーわけで、ロン君の名前を出してこっちの意図をきちんと説明したら、ダッドリーさんと息子のデイブさんは質問に答えてくれましたよぅ、ケイト先生]

「ありがとうございますヴァーナ殿。ロン君の証言の裏取りはできましたか?」

[はい。リリエッド砦攻略当日は確かに仕事で国境沿いの村々を回って、ボッジ村にも寄ったと言ってました。仕事の請負帳簿も見せてもらいましたし、嘘付いては無いと思いますよぅ]


 ケイトはヴァーナから小まめに魔話術(ビューフォン)で送られて来る情報を馬車の中で受け取りながら、計画書に書き込みや訂正線を加え、受け取った資料をまとめた。


「村の様子も、ロン君が言った通りだったと?」

[はい。村長さんと村の男達が真剣な顔で話し合ってるのを、修理品を収めに行く途中で見ちまったようです]

「相談の内容などは?」

[……『そんな残虐な連中が攻めて来たら!! 逃げるしかない!!』『だがどこに?! 匿ってくれるようなアテなどないしそもそも安全な場所など!!』『……いや、一つだけあるじゃないか、安全な場所が』……という言葉が聞こえたんだそうです。……まっ、残虐な連中ってのはあたしら魔王軍の事でしょうねぇ。敵には否定しやせんが]


 ヴァーナの自嘲を気にする事なく、ケイトは気になる言葉の意味を考える。


「……『安全な場所』ね……もっと詳細を聞いていませんか?」

[え? ……ああ、聞いて無いようですね。本当に小耳に挟んだだけだったようですよぅ]

「……そうですか。……いよいよ私の仮説通りだな……ありがとうございますヴァーナ殿。チームの皆さんと聞き込みを続けて下さい」

[了解しましたっ。……おっ?]

「ん?」


 通信を終わろうとしたヴァーナの耳に、ガタンというやや乱雑な音が響き、ケイトの背後にある馬車の後方ドアが開いた。


「ケイト、ちょっといいか。ガキが気になる事があるんだと……あ、通信中か?」

「だ、だったら別にいいよっ!! ちょっと気になっただけだしっ!! 別に大した事じゃ無いって言ってるだろ狼!!」


 ドアの向こうには、片手に引き抜いただろうぶ厚く高い木柵を担ぎ、もう片方に嫌がるロンを捕まえたハウルグがいた。


「それを決めるのは君ではないよロン君。それじゃあヴァーナ殿」

[はい、ではまた。――魔話術(ビューフォン)終了!]


 ケイトはヴァーナとの通信を終了し、二人に改めて向き直る。


「それでロン君、君は何を気になるのかな?」

「う……っ」


 ロンは何故か、非常に気まずい表情になって顔を背けたが、ハウルグに捕まっているため逃げられず、結局渋々と口を開いた。


「……そ……その……ゼペト爺さんの家に……」

「ゼペトさん、ボッジ村の住人だね? その家がどうしたんだい?」

「家……家の一番大きな柱に、ちょっと仕掛けがしてあってさ。……手順を間違えずに組木を動かすと柱が開いて、小さな隙間ができるんだ」

「うん」

「……そ……それで……爺さんそこに……金を隠してたんだよな。……銀貨二枚くらい……それで……俺前……それを隠してる所を……偶然見ちまって……それで……その……」


 ロンの顔が赤くなる。


「……なるほど、もう誰もいないし、もらってしまえと思ったのかい?」

「っ……ごめんなさい!! 良くない事だって判ってたんだ!! でも組木の柱が無事だったから、もしかしたら銀貨が残ってるかもしれないって思ったら……ついっ!!」

「まぁ、『宝』が残ってるかもって思ったら、ガキは気になるわなぁ」


 罪悪感に落ち込むロンの頭を叩いて、ハウルグは笑った。


「火事場泥棒未遂は許してやろうぜケイト。お前だってガキの頃厨房に忍び込んで、腸詰め肉の一つや二つ、かっぱらった事くらいあるだろう?」

「い、いや、私は良い子でしたので、子供時代にそんな事はしませんでしたが……ちょっと待って下さい? ……未遂?」


 ハウルグに苦笑したケイトは、だがすぐに真面目な表情に戻ってロンに問う。


「それで結局、銀貨は手に入らなかったのかい?」

「う、うん……手順は覚えてたから、組木はちゃんと開けたんだけど……中に何もなかった」

「……ほう? ……組木が壊されたりはしていなかったんだね?」

「う、うん……だから村を襲撃したヤツ……頭良かったのかなって、ちょっと気になって。……だって何も知らない状態からあの組木(パズル)を開いて、金を取り出して元に戻しておいた……って事だろ?」 

「……いや違う……それは……もしかしたら」

「……え?」


 おずおずと言うロンに対し、ケイトは真面目な表情のまま眉根を寄せて、しばらく沈黙した。


「……ロン君」

「え?」

「君は他のお宅の隠し金情報も、知っているかい?」

「えっ?! ……まぁ小さな村だし、多少は知らない事もないけど……あ、でも俺、まだ何も盗んでないよ!! 本当だよ!!」

「じゃあ、盗んで来てくれ」

「はっ?!」

「君が知っている、村人達の『宝物』を、全部探し出してきてくれ。……私の仮説が正しければ、それもまた物証の一つとなりえる」

「え……えぇえ?!! 本気かよ?!」

「無論、本気だ」

「……」


 ケイトの断言にロンは驚いたが、すぐに頷くと、魔王兵達が作業している家屋の方へと走って行った。

 それを見送りながら、ハウルグは笑う。


「あいつ、あんたには従うんだなケイト」

「仇を討つため必死なのでしょう」

「それはそうだが、それだけじゃねぇよ」

「え?」

「あんたを信用したんだ。いやあいつだけじゃねぇ、今計画で動いてる連中は、あんたを信用して動いてる」

「……学者冥利につきますよ、説明した仮説を信用してもらえるというのは」

「それもそうだが、やっぱりそれだけじゃねぇな」

「……とおっしゃいますと?」


 きょとんとして見上げるケイトを見返し、ハウルグは答える。


「……多分あんたに皆、ものすごい本気を感じたからだ」

「……本気、ですか」

「ああそうだ」


 僅かに目を細めるケイトに、頷いたハウルグは続ける。


人族(ヒュー)ってのは嘘付きだ。誠意のない空っぽの言葉を()()本当らしく語る事ができる、大多数は下劣な種族だ。……戦争中そんな連中のそんな言動にうんざりしてたせいかな。……俺に一歩も引かない、あんたの真っ向勝負の言葉は、酷く清廉に響いた」

「……」

「多分他の連中も、あんたにそれを感じたからあんたを信じたんじゃねぇか、と俺は思うぜケイト?」


 そう言いながら、ハウルグはケイトを確かめるようにじっと見つめた。

 ケイトはふと肩を揺らし、首を緩やかに振って顔を逸らす。


「……買いかぶりですよ、ハウルグ卿」

「……そうか?」

「そうですとも。……この学者は、別に清廉じゃありません。私は私の都合で、この事案に対して熱心になっているだけです」

「というと?」

「昼間に言ったでしょう? ……私は濡れ衣が嫌いなんですよ。……それをかけられて苦しむ者を見るのも、大嫌いなんです」

「そりゃまた、なんでだ?」

「……私は謀反人の子でしたので。――最後まで鬼気迫る形相で濡れ衣だと訴える父は、二度と思い出したくないのに忘れられない、最悪の思い出です」


 流石にハウルグも驚き言葉を失った。


「ああ、このクエストを受ける際、魔王女殿下に私の立場は説明させていただきました。……それでも構わないとおっしゃって下さったためクエストを受けたのですが、忠義の徒である騎士様としては気になられますか?」

「……確かに、気にはなる」


 そうですか、と微笑みケイトはなんでもない事のように言う。


「父はアテムヤーデ王国の民でしたが、王位簒奪の主犯として逮捕、処刑されました」

「アテムヤーデ……西南方の大国だな。……しかし、よくお前の命があったなケイト。謀反の主犯なんて、一族郎党皆殺しになっても仕方が無いだろう」

「ああ、情けがかかったのです。母が王の愛人でしたので」

「……そりゃあ……」


 なんとも言えない顔になったハウルグに、ケイトは小さく笑う。


「家臣が出世狙いで王に妻を差し出す、もしくは手をつけた未婚女を家臣に下げ渡した上で関係を続ける。どちらも王宮では珍しい事ではないでしょう?」

「魔王陛下はそんな事はしねぇよ」

「それは素晴らしい。……とにかく私は、母にのめり込んでいたらしい王の甘い裁定で助かり、母の遠縁にあたるカトラ王国の子供がいない老夫婦の養子になりました。そしてその老夫婦が偶々教育熱心な方々だったため、勉学の道を歩むようになったんです。――特に不満はありませんでしたよ。時々私の生まれを知るお偉い様方が、難癖をつけてくるのを除けば」


 懐かしくもない思い出です、と言いケイトはもう一度首を振った。

 ハウルグはケイトを見下ろしていたが、やがて静かな声で問いかける。


「……なぁケイト、お前が濡れ衣をかけられた者に同情するのは、父御の事を濡れ衣だったと思っているからか?」

「いいえ、判りません。……国を追放された私には、調べる事もできませんし」

「……」

「……でも……時々思うんですハウルグ卿。……あの時……父が自分の無実を必死に訴え、私の腕を掴んで来た時」


―ケイト!! ――信じてくれ!! 父は!! 父は謀反など――!!―

―っ――イヤ!! 怖い!! お離し下さい父上!!―

―ケイ……―


「……もう私以外に、縋るものが何もなくなってしまった父の手を振り払った時……あの時私一人だけでも父を信じる事ができていれば……父の死に際は……もう少し安らかなものではなかったのかと」

「……」

「……私が濡れ衣をかけられた者達に同情を寄せるのは、まぁそういった過去があるからです。我ながら、実に自分本位な代償行為だ」


 ケイトは机に置いてあった羽根ペンを手に取ると、慣れた手つきでそれを指に絡め弄ぶ。


「……別に、自分本位とは思わねぇよ」

「……それは、どうもありがとうございます」


 そして首を振ったハウルグに、乾いた微笑を浮かべた。


「ご心配無く。私の内心がどうであろうと、皆さんの協力で私の仮説は次々と証明されております。……あとは無事証拠が揃えば、必ず貴公と部下達の無実は証明される」

「……証拠、か」


 ハウルグは自分が担いでいる木柵についた爪痕を一瞥し、顔をしかめた。


「この忌々しいモンも、無実の証拠になるのか」

「それは勿論ですハウルグ卿。……信用いただけませんか?」

「いや、これはいいんだが……俺が心配してるのは、これ以外の証拠を集めている奴の事だ」

「ああ、ザイツですか」


 ハウルグは頷く。

 計画の周辺派遣チームに割り振られたザイツは、結局適役が他にいなかったため一人で、ケイトが求める『証拠』を得るため村から離れていた。

 そしてその手には現在、証拠を得るために必要となるはずの、多量の金貨が入った財布が握られている。

 財布の持ち主はハウルグだ。色々と現金が必要になる事もあるので、ハウルグは少なくない額の金を、毎回戦場にも持ってきていた。


「彼は信用できませんか?」

「いや……そう悪い人族には見えんがな。……喜怒哀楽がはっきりしない無表情だが、それで俺を騙そうとしてるって訳でも無かったし。……ただ、あいつがお前や殿下の期待に応えられるほど有能なのかは、流石に判らん。判るほどあいつを知らん」


 ハウルグの鋭い眼差しが、一瞬虚空を射貫く。


「……もしあいつがお前達の信頼を裏切り、仕事も果たせず預けた金を持って逃げるようなら……俺は地の果てまでもあいつを追ってブチ殺すぞ」

「ハウルグ卿……」


 剣呑なハウルグを見上げていたケイトは、少し考えた末その言葉に頷く。


「……そうですね、私もそう付き合いが長いわけではありませんし、彼がどこまで期待に応えてくれるのか……正確に予測するのは不可能です」

「……」

「……ですが、少しだけ期待する根拠もあるのですよ」

「……なんだ?」


 思いの外優しい微笑を浮かべ、ケイトは答える。


「彼の臆病さと、甘さです」

「……どちらも有能には繋がらなさそうだが」

「そうですね。ですが彼にとってそれは、長所でもあります。……彼は恐怖を知り、臆病であるがゆえに必死に事態の打開を思考する。……そしてその甘さゆえに、関わってしまった者達の苦境を見捨てたくても、そう簡単には見捨てられない」


 そういう彼ですから、案外がんばってくれると思います。

 そう言って何かを思い出したようにクスクスと笑うケイトに、少々面白くなさそうな顔になる。


「どうかしましたかハウルグ卿?」

「別に。……ただ、俺と話している女が、別の男を思い出して微笑むなんて事は、あまりなかったと思っただけだ」

「あはは、でしょうねぇ」


 ケイトはハウルグの美しい毛並みと、今は一見粗野だが、きちんと装えば貴公子にも見えるだろう、彫りの深い華やかな顔立ちを見返して、軽く返す。


「無実が証明されれば、英雄としてお帰りになられるでしょう。貴方様を待つ貴婦人、御令嬢達に、早く再会できるとよろしいですねハウルグ卿」

「お、おいおいっ。妙な想像して納得してるんじゃねぇよケイトっ!! 俺はそこまで遊んでねぇ!!」

「ほほぅ。……つまりそこまででなければ遊んでいる、と?」

「揚げ足取るなよ?!」


 何故か妙に慌てるハウルグに、ケイトは再びおかしくなり、また笑った。


「――ケイトさん!!」

「おっと」


 そこに、駆けて来たロンが再び入って来る。


「終わったよ!! 俺が知ってる村人達の隠し金の在りか、二十箇所全部回って見た!!」

「お、お前そこまでよく知ってたな坊主……」

「ガキ同士の情報交換なめちゃ駄目だぜ狼」

「――それで、どうだったロン君?」


 呆れた顔のハウルグに得意そうに返していたロンは、ケイトへと向き直り答える。


「――全部、無かった」

「!! ――ほう。――それで、その隠し場所は、強引にこじ開けられていたりしてはなかったかい?」

「うん、全くそういう事は無かった。家ごとぶっ壊されちゃったりしてなきゃ、どの隠し場所も綺麗なもんだったよ。……鍵付きや、合い言葉組木(パズル)がついていたりしたのもあったのに……全部、まるで持ち主が持ち出したみたいに、綺麗に金は無くなっていた」

「そうか――そうか!! いいぞロン君!! 想像した通りだ!!」


 ロンの返答に、ケイトは目を輝かせて拳を握った。

 更にそこへ再び魔話術(ビューフォン)が発動し、ケイトが受信すると、銀の渦が鏡となって中にヴァーナを映す。


[――どもっ、度々すいやせんですケイト先生っ。――ザイツ君から先生のメッセージボックスに届いた伝言を、冒険者ギルドで受け取ってきやした!]

「ん? 魔力は強そうだったが、ザイツは魔話術(ビューフォン)を使えないのか?」

「ええ残念ながら。ですから連絡は、一度伝言を冒険者ギルドのメッセージボックスに預け、それを定刻ごとに私の委任状を預けたヴァーナ殿に受け取ってもらう、という方法を取っております」


 ケイトはヴァーナにむき直す。


「それで、ザイツはなんと」

[伝言そのまま読み上げます。――『ケイトの仮説通り 証拠発見 だが譲渡交渉難航中』――だそうです。以上伝言終わり。それじゃあ]

「――よし!! 見つけたか!! よくやってくれた!!」


 ザイツの伝言に、ケイトは立ち上がらんばかりに喜び叫んだ。


「……だが交渉難航中、って事はまだ見つけただけ、なんじゃねぇか?」

「今はそうでしょう。――でもあいつなら、きっと何かの方法で目的を果たしてくれるでしょう。あいつは貴方が嫌う奸智を持つ、小狡い人族ですから!」

「……小狡い……」

「――よし! この調子なら、更に証拠が出るかもしれない!! やりたくはなかったが、もう一仕事手伝って下さいハウルグ卿!!」


 そして腕まくりすると馬車の中から何かの道具が詰まった箱を取り出し、それを担いで馬車を出た。


「構わねぇが、どうする気だケイトっ?」

「――墓を暴きます」

「えぇ?!」

「非科学的と言われようと、物事には、波というものがあるのです。仮説を証明するように、着々と証拠が集まりつつある。……この波に乗れば、もしかしたら更なる証拠が出るかもしれない。正直可能性は半々、私の携帯薬品箱の検査試薬程度では無理かもしれませんが――ですがもしかしたら!!」

「……すまん、何言ってんだかわからねぇケイト」

「……お、俺も。……でもノリノリなんだって事は判る。……母ちゃん達村の女衆が、行商が持って来た布地を見て、あれだこれだと騒いでるのを思い出すぜ……」

「……どこの種族の女も、そう変わらねぇなぁ。……城の女官達も、商人が持ってくる貴金属やレース、リボンなんかに、目の色変えて騒いでいたぜ」

「……そういう時の女は、そっとしておくのが一番だって父ちゃんが言ってた」

「……お前の父親とは、気が合いそうだ」


 ハウルグとロンは、自分の思考に入り込み、箱を抱えてブツブツと呟きながら歩を進めるケイトの後ろを、慌てて追いながら、そっとため息をついた。


「……あ」


 更にそんな三人を眺めながら。


「ケイトさん達……ご飯もうすぐできるんですけど」

「できたら我輩が呼びに行くであります姫様。――ではなく姫様!! 姫様のお手を料理などに煩わせるなど!! 本当は許される事ではありませんのに!!」

「大丈夫ですよカンカネラさん。ほら、私力持ちですから」

「そういう問題では無いでありますぅううう!!」

「野生化してた畑の野菜に、さっき街道で仕留めてきた牛っぽい魔獣の肉。……ああ、カレー粉があったらカレー作りたかったなぁ。……パンでもいいからカレー食べたいなぁ……カレーライスなら最高だなぁ……」

「かれー? そんな料理があるっすか?」

「宮廷料理っすか? おいしいっすか?」

「カレー……それはあらゆる具材が許される、究極の一品料理です」

「ええい!! 姫様に寄るでない!! しっし!!」


 キョウは魔王兵が持ってきていた大鍋を軽々操り、魔王兵達そしてカンカネラと料理を作っていた。

 キョウはクツクツと煮える野菜と肉のスープをかき混ぜていたが、ふと夜色に染まりつつある空を見上げ、そっと呟いた。


「……ザイツさん、ご飯ちゃんと食べてるかな。……難しい役目だって言われてたけど……どうか危ない事にはならないよう、気を付けて下さいね」


 ――そんなキョウの心配をよそに。


「――妖精魔法」


 その頃ザイツはとある場所で、ケイトが言う『証拠』を手に入れるため、バレれば投獄は確実の、仕掛けに入っていた。



 そして各組の計画作業は深夜に及ぶまで続き――やがてそれは、無事終了したのだった。


キョウ「バレたら投獄確実って……何したんですかザイツさん?!」

ザイツ「①ヘンキーを使った強盗

    ②ピクシーを使った強盗

    ③両方を使った強盗

    さぁどれだ?」

キョウ「強盗しかないじゃないですかー?!」

ザイツ「冗談だ(という事にしておこう)」

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