第4話 ついてない木曜日
きっかけは久しぶりに帰ってきた姉の一言だった。
ちなみに姉こと偲木さんは放浪癖があり、めったに帰ってこない。
放浪癖があるのは偲木さんだけではなく、ボクの家族のほとんどが家に帰ってこない。
いつも家にいるのは、天唯と海と金華姉ぐらいだ。
そのときはちょうど父と母、それと二番目の兄がそれぞれ旅に出ていた。
だからこんなことが起こったんだと思う。
偲木さんは家に帰ってくるなりただいまとも言わずに家にいるみんなを居間に集めこう言い放った。
「突然だけど、あたしから話がある。」
「実は・・・旅先で面白いもの見つけてな。」
「面白いものってなんですか。」
と代表してボクが聞く。
「相も変わらず敬語か、敬語じゃなくていいっていつも言ってるのに」
なんかブツブツ言っているけどそこは気にしない。
誰だってあんなことされればトラウマになって敬語になると思う。
小さい頃の話になるけど何の意味もなく偲木さんはボクを谷底におとしてみたり、かなり高い山に置き去りにしてみたりと偲木さんとの思い出はかなり嫌なことしかない。
「それで何なんですか。」
「これだ。」
といって取り出したものは古びたすごろくみたいなものだった。
「なんかこのゲームは7人いないとできないらしいから全員参加ね。」
と有無を言わせない声でいうが水兄は
「俺様はそのゲームには参加しない。なぜならそこに山があるからだ。さらば」
とか意味不明な言葉を残して消えようとしたけど妹である天唯さんはそんな水兄の行動はお見通しだったのか殴って気絶させた。
「これで1人参加と」
「あたしとしてはこんな面倒くさいことはあと5回もしたくないんだけどみんなは参加するよな。」
と猫なで声で言っているがこれはキレる一歩手前だ。
仏の顔も3度までっていうけど偲木さんは2回目でキレる。
しかも関係ない人まで平気で巻き込む。
なのでボクたちは偲木さんがキレないうちに参加を表明した。
「よし秋水以外はみんな偉い。お姉さんはうれしいぞ。」
とみんなの頭をなでていったけど何故か水兄にだけはラリアットだった。
そういえばなんで偲木さんはあんなに水兄をナメてんだろう。
一応水兄のほうが年上なのに・・・
まあそれはどうでもいいんだけど
ゲームのルールを聞こうとしたら偲木さんはボクたちには説明もなしでさいころを振っていた。
「説明書も見ないでやっているとあとで後悔しますよ。」
とボクがいうと
「楽しければいいじゃん。」
と楽天的な声で偲木さんは返答した。
しかしこのときちゃんと説明書をよんでいればこんなことにはならなかったと思う。
こうしてゲームが始まったわけなんだけど順番は当然偲木さんが1番、2番がボク、3番が天唯、4番が海、5番が瑠火ちゃん、6番が金華姉、7番が水兄となった。
偲木さんが振ったさいころの目は6だった。
偲木さんが止まったさきは5マス戻るただし1番自分がかっこいいと思っているセリフを言えば5マス戻るはなしと言うマスだった。
偲木さんは恥ずかしいがりもせずこう言い放った。
「千里の道も一歩から」
なんか普通にいい言葉だ。
普通すぎてみんなちょっとひいてる。
ここで水兄が
「偲木、熱でもあるのか。お前なら全てのものは私だけの為にあるとかくらい言いそうなのに、ちょっと俺様びっくり」
「はあ、何言ってるの。あたしは地道にコツコツやるのが好きなんだよ。努力を怠ればいつかは自滅するという経験からこの言葉が1番かっこいいと思ったんだよ。」
なるほど
次、ボクの番だ。
さいころを振ってと
あっ、ボクは5だ。えーっとこのマスは今まで1番恥ずかしかったことをみんなにしゃべらなければ3回休み
っていきなりこれかよ。
しかもあのことは絶対にしゃべるわけにはいかないし、ここは3回休みにしようと思ったけど、そのとき悪魔の声が聞こえた。
「そうそう、言うの忘れてたけどビリの人、あたしから罰ゲームがあるからさてルルどうする。ここで1番恥ずかしかったことをしゃべるのか、それとも3回休みか。ちなみに分かっていると思うけどあたしに嘘は通じないよ。」
はあ、そうだったこの人には嘘が通じない。
だいたい嘘言ったって瑠火ちゃんがボクの秘密知ってるからな。
どうしようもないけど3回休みをとろう。
まだまだ始まったばかりだし
こうした判断がどんどんボクの首を絞めているとも気づかずに・・・
・・・
・・
・
さてもう終盤なんだけどボクの負けはほぼ決定したね。
だってあれから休み、休みの嵐だよ。
神様がボクをいじめているとしか思えないくらいに
はあ、偲木さんは後7マスでゴール
ボクはあと50マスでゴールしかも一番近い天唯でさえも後30マス近く離れている。
絶望だ。あの罰ゲームは2度と味わないようにと散々気をつけてきたのに
ひどい
ひどい
ひどすぎるこの世には神も仏もいないのか
ってボクの番だ。
まあ一応さいころを振ってみるか
なんとさいころの目は1
しかし神様はボクを見捨てなかった。
そのマスには45マス進むと書いてあった。
ボクはビリを抜け出したと安心し勝利を確信したんだけど神様はやっぱりボクを見捨てたらしい。
最後のさいころの目は4
そのマスにはこう書いてあった。
最初に戻ると・・・
あと1マスでゴールだったのに
ボクのほかに最初に戻るという人もなくゲームは終了し、ボクの罰ゲームは決定した。
ちなみに偲木さんが1番だった。
ボク以外のみんながゴールしたのでボクもゲームを止めようとしたんだけどなぜか止められない。
説明書にみてみると
そこには大きな文字で
ゲームは途中でやめれません。
万が一止められましても呪われますのでご注意下さい。(笑)
あまりの大きい文字に思わずボクは
止められねぇのかよ。
呪いは注意しようがねぇよ。
説明書はちゃんと見ろよ。
しかも(笑)って・・・
とふつうな突っ込みをしてしまった。
なんだか偲木さんが帰ってきてからろくなことがないなと思いながら罰ゲームを逃れる術を考えるボクだった。
はあ、ボクってついてない。
誤字、脱字を教えていただければ嬉しいです。
あと感想お待ちしています。




