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プロローグ
吹奏楽部で過ごした私の3年間は、とても大切な思い出だ。
毎日皆で遅くまで練習して、くだらないことで笑いあって、休みの日はほぼ全員で出かけたりして。
思い出すだけで心が温かくなる思い出ばかりだ。
勿論あんな部活だ。決して楽しい思い出ばかりじゃない。
血の匂いが充満する戦場。
大怪我をして辞めたり、寝たきりになっていった部員達。
初めて人を傷付けた感触。
それらは決して良い思い出とは言えない。
けど、けど。
辛くて辞めたくなる時もあったけど。
それでも私はこうして3年間続けてきた。
それは良いことだったと、俺は胸をはって言える。
吹奏楽部に入って、本当に良かったと。
あの日、4月20日に、吹奏楽部に入ったことを私は少しも後悔していない。