ゆいこのトライアングルレッスンM〜13日の金曜日〜
『13日の金曜日』
『ひろし!今ねむっくんから電話があって、まだ学校にいるらしいんだけど迎えに来て欲しいって言われたから、向かってる。帰り、真っ暗だと怖いから、ひろしも来て!』
突然ゆい子から電話が来たかと思ったら、一方的に捲し立てて切れてしまった
なんとなく切羽詰まったような口調に、俺は一も二もなくジャケットを引っ掴むと家を飛び出した
ムサシの通う小学校はそう遠くない
早足で歩く事10分
校門の前、薄暗くチカチカと点滅している電灯の下にゆいことムサシの姿をみつけた
俺が歩み寄るよりも先に、反対側からたくみの声が飛んでくる
(たくみ)「ムサシ!お前、なんなんだよ、もう小6だろ、勝手に1人で帰れよ!」
(ゆいこ)「まぁまぁ、たくみ。暗いし、怖くなちゃっても仕方ないよ」
(ムサシ)「.....別に怖くねーし...」
(たくみ)「じゃぁ、なんなんだよ」
(ゆいこ)「たくみ、落ち着いて....あ、ひろし!」
ムサシが相手となると途端にガキっぽくなるたくみを慌てて宥めつつ、ゆいこが俺に気づいて手を振った
(ひろし)「...帰るぞ。ムサシ、なんでこんな時間まで学校に残ってたんだよ?」
(ムサシ)「....友達と....怪談話で盛り上がって....」
(たくみ)「あ!ムサシ、おっまえ!なにどさくさに紛れてゆいこの手繋いでんだよ!」
(ゆいこ)「もう!たくみ!静かにして!....むっくん、それで?なんで怪談話なんかしてたの?」
(ムサシ)「今日、13日の金曜日だからさ、友達と盛り上がっちゃって」
(ゆいこ)「13日の金曜日って、不吉だとか言うもんね」
(たくみ)「アメリカのホラー映画が元になってるらしいな」
(ひろし)「いや、正確には元になってるのはキリストの最後の晩餐に13人参加してたから13っていう数字が不吉だとされるようになったらしいぞ」
(ゆいこ)「そうなの?ひろし、さすが、物知り〜」
(ムサシ)「じゃぁ、金曜日は?ジェイソンの殺人が金曜日だったから?」
(ひろし)「いや、それも、キリストが磔になった日が金曜日だったからって言う言い伝えがあるかららしいぞ」
(ゆいこ)「へー、そうなんだ」
(たくみ)「まー、でもおれはジェイソンの方が面白いと思うけどな。こんな暗闇とか歩いてるとさ.....あの角からジェイソンが血まみれの斧を持って飛び出して来たり......わぁっ!!!」
たくみが気味悪そうに話してたかと思うと突然大声を出して飛び上がった
「きゃぁ!!」
「うわぁ!」
ムサシとゆいこが同時に悲鳴をあげて両側から俺に抱きついて来た
バランスを崩して転けそうになる俺を指差してたくみがケラケラと笑う
(ゆいこ)「た〜く〜み〜!!!」
(ムサシ)「ガキくさいことすんなよ!」
(ひろし)「はぁ....」
(ゆいこ)「もう、こんなバカはほっといて、帰ろう、むっくん、ひろし!」
(たくみ)「バカって何だよ!って!おい!ムサシ!ゆいこの手、離せって!」
(ゆいこ、ムサシ、ひろし)「たくみうるさい」
(たくみ)「待てって!置いてくな〜!」




