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第4話

俺たち3人は屋敷の地下牢に向かっていた。地下牢にはナナ以外にも多くの人が換金されていて、中には死んでいるような人もいた。

奥の方に行くと、ナナの姿が見えた。


「ナナ、大丈夫か?」

「先生、それに2人も…。あれ?キララと部長は?」

「2人は俺たちがここに来る過程で敵を足止めしてくれた。早く解放するから、2人を助けに行こう」

「イヤ。やっぱり助けないで」

「どうした?何か不都合でもあったか?」

「ナナとケンカしたのはもとと言えばアタシが悪いのに、拗ねて、逃げる理由を作る為にここに来ちゃったのに…。なんでこんなアタシを助けに来てくれたの?」

「キララに頼まれたんだよ、助けてほしいって。キララもナナとケンカしたこと、後悔してたぞ」

「…そうですか。なら、アタシを開放してください」


俺は居眠りしていた看守から鍵を奪い、鍵穴に刺して回し…

たと思ったら、下に魔法陣が展開され、俺たち3人は捕縛されてしまった。


「まっさか、こんな緊急事態の時に看守が寝ていることを不自然に思わないとはなぁ。とんだ間抜けだな」

「あれは寝たフリだったのか!?」

「そうだ。ってことで、お前ら無法者には消えてもらうとするよ」


そして看守がナイフを俺に振り下ろそうとした時。


「やめてぇぇぇぇぇ!!!」


キララが長刀を振り回しながら看守に突撃していき、看守の投げたナイフに頬を切られながらもなんとか仕留めた。

罠の主がその看守だったからか俺たちは罠から解放された。


「キララ、大丈夫だったか?すごいボロボロだぞ?」

「いえ、大丈夫。何とか1人で敵はやっつけました。それで、ナナは?」

「ここにいるぞ。ほら」


ナナは、自分のワガママがキララに1番迷惑をかけたことに罪悪感でも感じているのか、ずっとうつむいたままでキララの方を見ようとしない。


「ナナ…、いや、ナナちゃん!その、ごめんね」

「…ぁ、謝るべきはアタシの方だから謝らないでよ」

「そんなことない。きっとナナちゃんだって怖い思いしただろうし、何より緑川がキライって言っちゃったことがいけなかったんだから」


そんなこんなで俺たちは地上に戻った。そこには、、憎悪で顔が歪んだシドがいた。


「貴様ら、こんなことをして許されると思うなよ…。いずれ我々は貴様らに復讐を…」

「ああ、余の判断は間違っていなかったのだ」

「ユギカ、貴様どういうつもりだ!?」

「婚約を邪魔されたくらいで守るべき民に復讐しようなどと考える愚か者と婚約したら家の名に泥を塗るところだった」

「貴様ァ!!ここで処してくれるぞ」


「そうはさせませんよ」


入口には、外の敵を全滅させたと思しきミコが立っていた。


「貴様ごときに我が止められるとでも思うなよ」

「皆さん、ここに誘拐犯がいます」

「は?」


すると、そこから第5学園の賞金稼ぎ部たちが入ってきた。


「シド=ラーニレフ二世、お前を建造物侵入罪、誘拐罪、監禁罪、脅迫罪で逮捕する」

「馬鹿な!?我の行動がすべて筒抜けだったとでもいうのか!?」

「そうだ。我々と一緒に学園まで来てもらおうか」



こうして、俺たちも学園に戻った。


「あー、新米殿。第5学園賞金稼ぎ部の顧問に移動する件だが、1週間後に決まった」

「そうですか。それから、だいたいどれくらいの期間離れないといけないんですか?」

「それは、向こうとお前の都合次第ってところだな」


その話を聞いて5人はどう思うだろうか



翌日、部室にて


「俺は1週間後、第5雲母学園の賞金稼ぎ部の顧問に移動することになった」


「部長、本当に言ったのね。でも、アタシは構わないわ」

「緑川も惜しいところではありますけど、先生の為になるのなら…」

「あと1週間のうちに新しい拳銃買いに行くから、ちゃんとついて来てね」

「余はあの婚約から逃れられて本当に感謝している。応援するぞ」


みんな、本当にミコとは最初からこう決めていたんだ。俺も、何か覚悟的なものを決めていかなくちゃいけないんだ。


「ありがとう、みんな。俺もいつか、またみんなとこうやって活動できる日を待ってるぞ。あと1週間あるけどな」


第1部 一応完

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