0.プロローグ
「いやぁ……まいったねぇ」
「それはこっちのセリフだ!どうしてくれる!」
「落ち着けよ。みんなで相談して決めたことだろ?」
「俺はそもそもとしてランドクラフトの強奪自体、無茶だっていっただろ」
「志澄だってあの子が可哀そうだからこの作戦にのっかったんでしょ?」
「俺は彼女について相談していただけだ!誰が武装組織に殴り込みに行くなんて言った!」
「志澄!静かに!」
「大体、お前だってアリステラの目論見がわかってて俺を連れまわしたんだろ!シア」
「僕はあの女の子が連れ去られてたかもしれないって志澄が言うからいてもたってもいられなくてみんなと同行したんだ」
「二人ともケンカしない!いつまでもこんなところにこもっててもどうしようもないでしょ」
「とはいっても、周りは戦闘員だらけだよ……第四次の停戦からもう15年以上も経つのに何でこんなところに陸上戦闘機が……」
「……待て、二人とも。……はぁ……仕方ない。ここまで来たら、なるようになすしかない」
「何か作戦でもあるの?」
「この陸戦機を操って、ここから離脱する」
「なぁんだ。最初の作戦とほとんど一緒じゃん」
「うるさい!アリステラ」
「彼女はどうするんだい?」
「まずは俺たちの安全が最優先だ。あとから警察か軍が出動するよう手配するさ」
「あとでお父様にしかられない?」
「……そのにやついた顔を引きはがしてやる!」
「あばれないでくれ。ただでさえ君の上に乗っかっているのに暴れられたら気分が悪い」
「複座機に三人もいることが間違いなんだ」
「……システムは問題ない。大陸の言葉でよくわからないけど……機体もなんとか動かせそう」
「アリステラ、これにはロケット弾と30ミリが搭載されている。……火器はこっちでコントロールする。君はこいつの制御を」
「了解!じゃあひと暴れしますか!」