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賢者巡礼  作者: ナハァト
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エピローグ 3

 次に聞いたのは、森の国・フォレストガーデン。

 森全体が世界樹の結界に覆われていたので大丈夫かと思ったのだが、そうでもなかったようで、結構深いところまで侵入されてしまい、森全体が相当荒らされたそうだが、もう既に元の状態に戻りつつあるらしい。

 世界樹の力――とのこと。

 木とか森関連ならなんでもありな気がするが……多分間違っていないと思う。

 そして、森が戻っていくのに合わせて、森から得られる恵みを自国だけではなく周辺国にも送り、周辺国からは自国の足りない物を送ってもらったりと、協力して復興していっているそうだが、以前までは森の外と町一つで交流していたのを、今はそれ以上――かなり大きく交流しているそうだ。

 あと、ここで関わりを持ったからこそ、リノファは情報として手に入れたようで、今回森の深いところまで侵入された時に、光のレイさんが現れたことに驚いているらしい。

 まあ、森を出てから今まで戻らなかったというか戻れなかった訳だから、それも自然な反応……え? 違う? なら、どういう……強くなり過ぎていて驚かれた?

 ……そこは素直に再会を喜んでおこうよ。

 エルフよ……いや、きっと照れ隠しだな。そうに違いない。

 素直に喜んだのは、光のレイさんの妹であるロアさんと姉であるルウさんだけ――ではないな。

 久々の再会だったのは光のレイさんもそうだったのだから、きっと感動の再会だったはずだ。

 どちらも涙を流し、笑みを浮かべて……浮かべて………………あれ? おかしいな。感動の再会という場面が想像できない。

 ロアさんとルウさんの方はそうでも、光のレイさんの方は淡々としていそうな……いやいや、そんな訳ない……はず。

 これはアレだ。きっとアレだ。俺の想像力不足なだけだ。そうに違いない。

 今度ロアさんとルウさんに会ったら聞いてみよう。

 光のレイさんとの方がよく会うけど、聞いても「……普通」て言われそうだし。


     ―――


 その次は、海洋国家・シートピア。

 ここに関しては陸地よりも海から来る魔物たちによる被害が大きいと思った――が違って、予想よりもかなり軽微だったそうだ。

 それこそ、女王であるグラスさまの指示の下、直ぐにでも海洋交易による各地への支援を始められるほどに。

 それだけ海からの被害が少なかった原因はわかっていないが、それに関してある噂が出回っている。

 薄い緑のくせ毛の少年が空を飛び、海上で魔物相手に戦っている姿を見た――という複数の目撃情報が挙がっているのだ。

 ……うん。風のウィンヴィさんである。

 海からの被害が少なかったのは、風のウィンヴィさんが魔法で無双したからだろう。

 陸地と違って海はそこまで周囲への配慮が要らないだろうから、大規模魔法とかバンバン使ったんだろうな……そりゃ、姿が見られても仕方ない。

 まあ、別に隠してもいないんだけど。

 なので、それは別にいいのだが、問題は別の方。

 極少数の目撃であったために幻と判断されたそうだが、骸骨やゾンビが乗っている船を見たというのがあった。

 ……うん。海神の船に乗った「青い空と海ブルースカイオーシャン」である。

 風のウィンヴィさんはともかく、「青い空と海ブルースカイオーシャン」は見つかると本当にマズいというか下手をすれば討伐対象になりかねないので、本当に注意して欲しい。

 でも、「青い空と海ブルースカイオーシャン」ならきっと一笑い取って友好的な関係を構築……できるか?

 ……まあ、できたらできたで不思議ではないが。

 ちなみに、ドレアはここでの鍛錬を終えて、女性海賊団「青緑の海エメラルド・オーシャン」の船長に戻り、海の魔物を相手に戦っていたり、こういう時にも現れる海賊団を潰しているのだが、偶に小島のダンジョンを通じてここに来ている。

 来ている理由は特にないが、強いて挙げるのであれば、どこかの暗黒騎士団(ダークネス・ナイツ)の槍使いが気軽に来られないため、優位性を満喫するためらしい。


     ―――


 次に聞いたのは、三柱の国・ラピスラ。

 当初は魔物大発生(スタンピード)の魔物だけではなく、天塔(ヘブンタワー)からも魔物が溢れて大変だったそうだが、どうにか乗り切ることができた。

 三柱の名の下に、王家、冒険者ギルド本部、商業ギルド本部がガッチリと協力した結果である。

 この協力関係は今も続き、王家の全面協力の下、冒険者ギルド本部は冒険者の国・トゥーラと同じように復興に関する依頼を出して率先して受けるように通達し、商業ギルド本部は自国だけではなく他国の物流すら支配しそうな勢いで、必要なところに必要な物を届けようとしているそうだ。

 冒険者ギルドと商業ギルド、どちらも各国に必ず一つはあるので、あながち不可能ではない……が、それを怖いと思うかどうかは別の話である。

 冒険者ギルド本部のマスターであるラフトと、商業ギルド本部のマスターであるビネスなら大丈夫――と思っておこう。

 ともかく、天塔(ヘブンタワー)があるので、資材確保ができるのは非常に助かるのは間違いない。

 そうして順調に復興していく三柱の国・ラピスラで、今精神的支柱になっているのが、とある冒険者パーティの存在である。

 ……うん。「王雷」のことだ。

 始まりは魔物大発生(スタンピード)中の戦闘で、手助けに来たビライブとクララに見惚れる者が続出したことで、その戦闘の最中に魔物大発生(スタンピード)の魔物と天塔(ヘブンタワー)から現れた魔物を一掃した清流のような美しい青い髪の女性――水のリタさんが現れたことでさらに人気が高まり、トドメはニーグ。

 ――そう。水のリタさんが動けるようになったことで、「王雷」復活である。

 今、水のリタさんは「王雷」の一員として動いていた。

 そんな「王雷」に、これでもかってくらい人気が高まっているそうだ。

 それこそ、ラフトとビネス主動によるグッズ展開が起こり、さらに偽物のグッズまで直ぐ現れたくらいに。

 追加情報として、売上高一番はビライブのグッズなのだが、単品額で一番高いのはクララのグッズだそうだ。

 ……うん。この情報は要らない。

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