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五月二十七日
五月二十七日
いつからか、ふと気付いてみると背中が落ち着かない。まただ。また。今度は何だっていうんだ? そして再びあの感じ。どうも場違いな気がしてならない。どうしてここにいるんだろう。ついさっきまで王都の図書館にいた筈なのに。記憶があやふや、なんて優しいものじゃない。すべての記憶を細切れにしたあと、適当に並べ替えたような。順番でいけばこんな感じ。一、五、八、七、九、二、四、三。パズルのピースを無理にはめ込んだような。
ヤドカリは自分に丁度いい殻を見つけると、今の殻を捨てて殻を変えるという。ぼくは間違った殻に入り込んでしまったような、そんな風に感じる。そう、ぼくはヤドカリ。違和感。そして、ぼくが知っている筈のものは全部間違ってる。