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四月二十二日
四月二十二日
人は誰でも一度は英雄に憧れると、ぼくは思う。自分もそうありたいと思う。同じ境遇に立ったとき、英雄のようでありたいと願う。それは、うーん、歴史上の英雄であったり、ある物語に生きる英雄であったりする。自己犠牲とは、他人の為に、自分以外の誰かの、何かの為に自分尾何かを棄てることを言うらしい。自分の為に何かを棄てることはしない。素晴らしいことには間違いない。でも、もしぼくが英雄なら、そして自分の何かを棄てるとき、きっとそれは自我だ。ぼくは自我を諦めるだろう。でも、それはきっとない。ぼくは他人の為に何かをするような余裕は持ち合わせていないし、そんなに心も広くない。自分のことで精一杯だ。他人のことまで手が回らない。全部自分の為だ。誰かの為じゃない、ぼくはぼくが棄てることを望めばそうするだろう。誰かに望まれてやるようなひとじゃないから。自分のしたいことだけをする。
何があったかは聞かないでくれ、親愛なるぼくの日記よ。