十月一日
十月一日
どういうわけか眠れない。リルは隣でぐっすり眠っているのに。ここは街の宿、真夜中、ろうそくの明かりを頼りに書いている。あまりに眼がさえて眠れないのでやれることを全部やったあとで(というのは、荷物を全部出して服やらを畳んでみたりいろいろ)袋の一番底にあった包みを見つけて、何だったかなと思い手に取って、紐を解いて驚いて、そして思い出した。ジェスとワードの農家へ行ったとき、帰り際にリコさんが持たせてくれたあれだ。ぼくはこの袋を持ってきた覚えはないけどここにあるということは持ってきたってことだ。忘れていただけかな? そして中を見てもっと驚く、服だ。ワードで織った服が一式。今、ぼくはワードの服を手にしている。それから、ひざ掛けめいた、大き目の、ただの布。