九月三日
九月三日
彼は来た。名前はリミナル。リルと呼んでくれ、と。ちょっと詳しく書こうかな。
ぼくが草原に寝転がっていると人の気配がする、ぼくは起き上がって彼を迎えた。彼はしかめっ面をしていた。あんたか? うん。おれは着たぞ。ありがとう。
かれはちょっと肩をすくめて隣に座った。そういえば手紙の内容を書いてなかったね、中はこんな感じ。
はじめまじて、名前も知らないだれそれさん。まず、ぼくの名前はエリーといって、君に頼みがある。九月三日にホーンの丘に来て欲しい。要るものだけをもって。馬を持っていたら馬も一緒に。つまり、きみはぼくと一緒に旅に出るんだから。
うろ覚えだけどそんな風なことを書いておいた。エリー、って名前は有り勝ちだからぼくとは解らないだろう。実際彼は何も言ってこなかった。そうそう、馬は持ってなかったみたい。そのうち買ってやらなきゃ。
おれはあんたと一緒に行くけど、何をしに行くかは教えてくれないのか? まだ駄目だ。ふーん。どうして来ようと思ったの? 普通に考えればこないでしょ。それを言うなら、あんただって相当ヘンだ、他人のこと言えないだろ。何も言わずに手紙押し付けて消えるんだから。ぼくは肩をすくめて、彼はぼくを見る。で、どこにいくの? どこでもいいよ。君の行きたいところでいい。
やっと話が進みだしました。。。