五月四日
五月四日
さて、六冊目の日記な訳だけども。
王都の、図書館の、五階の端部屋に住んでいるエリー・アディ・リヴ(ぼくのファーストネームがエルマーだということはあまり知られていない)――つまりぼくのことは誰でも知っているわけだけど。ぼく、すなわち身体中にMade In Fantasyが刷り込まれている、親のない、城下町を一人でうろついていたのを見つけられ、保護されて、誰かに出遭うのを、ぼくの所有者を待ち続けている少年。でも、ぼくはもう少年ではない。らしい。ジェスが言うには、青年なんだって。みんなの中ではいつまでも少年なんだろうけど、おれは違う、って。もちろんぼくには違いがわからない。青年も少年も一緒でいいじゃないか。
主人公、エルマー・アディ・リヴの日記です。
わたしは掌編専門なのでこれが初短編小説(連載)です。そう長い物語ではありません。もう話は出来上がっていて、あとはちょっと手直しするだけですので一日、一日ずつあげていこうかと思います。話が動き出すのはもう少し先ですが、お付き合いください。
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