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消滅指定都市リベロ  作者: 東堂 アカリ
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3 リリの証言

先ほどは校長が失礼いたしました。私は秘書をしております、リリと申します。

 あまりにも突然、リベロと連絡が取れたものですから、取り乱してしまいました。どうぞお許しくださいませ。


 さて、リベロという国ですが、確かに存在いたします。今まで伝説の国のように思われておりましたが、それは皆を危険から守るため、むやみに立ち入ることが出来ないように そう仕向けたのです。


 リベロは、もともと様々な種族の実験場のような場所でした。ある種族は植物を、ある種族は動物を、他にもさまざまなものを何もないその土地に持っていきました。ですから、伝説で伝わるように、リベロには色とりどりの花が咲き、さまざまな動物のいる場所なのです。

 「ユートピア」、そう、祖先たちはリベロを「ユートピア」のようにしたかったのでしょう。

 リベロの民は、表情がとても豊かだと言われています。ただ、圧倒的に知能がなかった。仕方がありません、生まれたばかりの種族ですから。我々の祖先も、生まれたばかりのころはリベロの民のようだったことでしょう。リベロの民を守るため、正しく導くために、良識ある種族が名乗り出ました。私たちの祖先もそのひとつです。祖先たちは、リベロの民に知恵を授け、いずれは自分たちと同盟を組めるようにしたいと思い、育ててきたようです。

 しかし、良識のある者がいれば、その反対の者もリベロにはいました。もちろん、そのことは皆知っていました。ただ、誰のものでもないリベロで「悪意のある者がいる」と排除することはできません。リベロの民を正しい方向へ導きつつ、悪意のある者たちを監視していましたが、ある時に隙をついて我々の祖先たちはリベロを追い出されてしまいました。一部の、仲間たちを残して・・・それが、今から2000年ほど前の出来事だったそうです。


 我々の祖先たちを追い出した後、悪意のある者たちはすぐに結界を張りました。その結界のせいで、我々は容易にリベロへ近づくことが出来なくなってしまいました。残された仲間たちは、悪意ある者たちに捕らえられ・・・あるものは殺され、あるものは封印されてしまいました。

 我々の仲間たちを守るリベロの民もいましたが、多くが悪意ある者たちに殺されてしまいました。

 今、リベロに残っている民は 悪意ある種族が奴隷のように使うためだけに生かされた、ただそれだけの存在なのです。


 我々は、あなたたちにお願いしたいことがあります。

 リベロに残る我々の祖先・・・我々の仲間たちを助けてください。もちろん3人では無理でしょうから、我々と我々の仲間たちがリベロに突入するまでの突破口を作ってほしいのです。

 リベロの民を助け、そのあと悪意ある者たちを捕らえることは、すべての我々の仲間が一丸となって協力することがすでに決まっています。


 先ほど校長が申しあげましたが、リベロの民は小柄なので我々大人では大きすぎて目立ってしまいます。あなたたちでしたら、数年はリベロの民に混じってもやっていけると思います。


 どうか、リベロを・・・捕らえられた仲間たちを開放する力を貸してくださらないでしょうか。どうか、よろしくお願いいたします。

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