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えがおを みつけて

冬童話2021投稿作品です。


おやしきで することのない アグリーは しつじさんに たのんで おそうじを がんばりました。

その はたらきぶりをみた おくさまは アグリーを おへやに まねくのでした。

「お おまねきに あ あずかり こ こうえい です!」

「まぁ そんなに きんちょうしなくて だいじょうぶよ。 らくにして」

「ありがとうございます!」


 しつじさんから おそわった あいさつを やりとげて アグリーは ほっとしました。

 うしろで しつじさんは はらはら していますが おくさまは やさしく ほほえんでいました。


「おやしきの おそうじ ありがとう。 とても きれいで びっくりしたわ」

「ありがとうございます! わたし そうじ とくいなんです!」

「そうなのね。 ほかに なにか したいことある?」

「おりょうり したいです! おかしとかも つくりたいです!」

「まぁすてき」


 アグリーの げんきなへんじに どきどきしたり おくさまの やさしいことばに あんしんしたり しつじさんのきもちは おおいそがしです。


「おくさまも いっしょに おかし つくりませんか?」

「あ アグリー! いくらなんでも おくさまに しつれいだぞ!」

「たのしそうね。 おしえてくれる?」

「はい!」

「えぇーっ!?」


 しつじさんは クビをかくごしました。




「どうしたんだ これは……」

「あなた これ わたしと アグリーで つくったの」

「おまえが アグリーと……?」


 おしごとから もどられた こうしゃくさまは おくさまの さしだした おかしのまえで ことばを うしないました。


「おいしいですよ!」

「では ひとつ……」


 アグリーに うながされて こうしゃくさまは おそるおそる おかしを くちに いれました。


「……うまい」


 あまく やさしく どこか なつかしいあじに こうしゃくさまの ほほが ゆるみました。


「よかった」

「!」


 それをみた おくさまの えがおに こうしゃくさまは おどろきました。

 ここなんねんも もうしわけなさそうな かなしそうな かおしか みていなかったのですから。


「おまえ わらって……」

「こうしゃくさま! おくさまは ずっと しんぱい されていた そうですよ!」

「なに?」


 アグリーは おかしづくりの あいだに おくさまから きいたはなしを はじめました。


「こうしゃくさまの こどもが うめないうちに としを とってしまったから もうしわけないって」

「そんな……!」


 こうしゃくさまは がくぜんとしました。


『わたしみたいな おばさんにかまわず どうか あたらしい おくさんを……』


 そういって かなしそうにする おくさまに


『わかいおんな なんかより おまえのほうが うつくしい!』


 そういいたかったから アグリーを つれてきたのに と。


「すまなかった。 だが こどもを うめなくても わたしが あいしているのは おまえなんだ!」

「あなた……!」


 ふたりが だきあうのを みて アグリーは ほっとしました。

 そのうしろで しつじさんが もっと ほっとしていました。

読了ありがとうございました。


こうしゃくさま からまわりする タイプ。

でも けっかオーライ。


次の話もよろしくお願いいたします。

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