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dream
夢という言葉は陳腐だ。
夢を語る人を見て、その夢を聞いて、私は嫌悪する。
生きることは、ただ生きるだけだ。
どうして、夢を持つ者の方が、夢を持たないものよりもいいことがあろうか。
空っぽの言葉に、意味らしからぬ意味をのせて、夢をうそぶくものがほとんだだというのに。
君は、夢がかなわなければ死ねるのか?
死ねるわけがない。
今の一瞬を一秒を、刹那をそれだけに捧げているのか?
それ以外のものをすべて供物にして、捨て去ってそれでも生きていられるのか?
まずは、名誉を、自尊心を、生活を、地位を、家族を、家を、車を、恋人を、友人を、全部ごみ箱に入れて、焼却しないと
何かにために人は生きているわけじゃない
それは、生きるということには何らの意味もないということだ
透明のガラスに光を入れるように、空っぽだった。
君は全部を捧げれない。
何のためにも人は生きられない。
もしも、それのために死ねるなら、その死の間際だけ、君は夢に生きているということだ