放火魔の断片
探偵事務所の落書きをいつも通り、洗浄していると「こっちも洗ってよねー」と隣の家のおばちゃんが怒って言ってきた。
「はいすみません」
俺が悪いみたいだ。
炎を出せる事からか?おばちゃんはこう聞いた。
「最近の放火魔は誰なんでしょうね?」
「さあ?知りませんよ。あなたも私だと?」
「バカね!心配してやってんのよ!街のヒーローでしょ?あんたは。」
この落書きはほとんどがイタズラだ。その大きな文字のなかに「僕の父のせいなんです。ごめんなさい」とかかれている。
このパターンはおれが文字を書いて返答し、筆跡を見て楽しむのが狙いだろうか?
ドルシェはめんどくさそうに文字をこすった。
放火を現場検挙してやる。
だが警察と揉めて大口をたたいたので情報がなく困っていた。
朝、事務所の増えた落書きを見てため息をつく。
ネットで広まったデマが書かれてある。その大きな文字をこすっていると筆跡を見たいパターンの落書きを見つけた。
(僕の父が本当にやったんです。信じてください!)
その横に電話番号が書かれてある。速攻電話をかけ、説教しようとしたら「誰ですか?」と女の子の声がした。
「助けてくれるんですか?執事さん」
「なんで俺だとわかった?」
「僕はずっと待ってたんです!会ってください!」
その子はグレーのパーカーを着たカジュアルな僕っ娘らしい。そのあと会う約束をした。
「マジで来た!」
「来て悪かったか?」
さっそくだ。お父さんはどいつだ。
「あんたのせいって事にしてくれない?放火。」男の子たちがそう言って、ドルシェを取り囲んだ。
「俺らさこいつの親父に金もらってんだよね。その金で手を引けって----」
「?」
そう言ってドルシェを鉄パイプで殴ろうとする。
ドルシェはやられるふりをし、倒れると、
ボクっ娘は意味深につぶやく。
「ほんとに助けてもらおうとおもったのに- - -」
ドルシェは流血しながら、去ったお山の大将に尾行する。
ボクっ娘は不思議そうに追いかけると
その先で金を払って雇ってその大将に頭を下げるのをみた。
連絡先を交換してしているところをボクっ娘はキレ口調で
「なんで無視するの?屁っ放り腰、僕はあんたをためしただけなのよ」と言うとドルシェは頭を下げていった。
「もう落書きはやめて下さい」
「ダッサ!」
そう言ってボクっ娘は去った。
大将は「本当にこんな大金くれるんですか」と疑う。
「奴に会えればそれで良い!
しかしさっきのは本当か?」
本当ですよ。
あのボクっ娘の父はあなたを裏で放火魔に仕立てた警視なんですよ!」
「なぜ俺にそんなことを?」
しばらくして
(期待外れです僕は本気で父を捕まえてくれると思ったのに!今度二人で会いませんか?)
また落書きが書いてある
あのボクっ娘の連絡のはずがない。
約束の場所にやつが来る合図だ。
街外れの倉庫に向かった。
そこにお山の大将がボクっ娘をナイフで人質をとり、警視を相手に時間稼ぎしている!警視を俺に会おうとさせた。
「やめろ!何をしている」
大将はドルシェを見て「黒」と答えた。
「お前は金持ちなる執事!この青年を捕まえろ!」
ドルシェは言う。「おいガキ!俺は何も知らない!だからおまえを逮捕する!女!そいつのポッケの中にあるリングを取れ!」
ボクっ娘:「なにいってんの?親父が犯人って知ってるでしょ?リングって?」
大将はいいからとれと促す。
青年は逃げてボクっ娘は父親に抱きつく、「大丈夫か?ユリ!」
ガシャ リングとは手錠だった。
え?
(執事、自分の尻は自分で拭けってことだったのね)
「なんのつもりだユリ!」
「私さっきのヤンキーのこと好きだから!腹いせにあの人の家を燃やすなんて最低‼︎。」
「へえ」
この子のたわごとだ。忘れろ」
警視はしどろもどろだがパトカーのサイレンが鳴るとニヤリと笑った。だが
刑事たちは警視を白い目で見ている。
「警視を連行しろ!」
「へっ----?なんだよ」
「隠しカメラで観てたんですよ。そこ集音器もある」
「どんな内容で?」
「他愛無い話でしたけどさっきの二人はベロちゅうしてあんたは放火をほのめかす。挙句娘に検挙なんて、なんでこんなのが上にいるんだよ。」
ドルシェは言った「オイ!ボクっ娘、あいつは金も働いて返した良い奴だぜ!」
そっけない執事に泣きしめた。
家に今日も落書きが書いてある
そこにありがとうとあのボクっ娘の筆跡で書いてあった。
「この落書きは残してやるか」
おばちゃんが「落書きこっちも消して!」とおののいた。
「ハイハイ」
今日はいつも通り過ぎていった。