ヒーロー誕生
刀身は音を立てて砕けた。
目をあんぐりさせながら、絶望して唇をかむ。
「刀がただの石くずに - - -」
手が震えている。俺は死ぬのか?もうちょっとで金持ちになれたはずなのに。
お嬢は蔓で崖にもどろうとし、途中で滑り落ちる。何度もそれを繰り返すのをぼーっと見ていた。
------------やめろよ----- - - -やめろ- - -そこは死の巣窟なんだよ。
「何も無いんだよ!徳川埋蔵金なんて夢でいいじゃんか!俺はもうこりごりだ。せめてメノンの前で死にたかった。」
「私が- - ----みたいのはニュースに載ってる自分なのだ。インタビューをうけ、大事な人の想いを本物にするのだ。自分は金で見つけた信頼を真にするのだ。たとえ、やましい絆でも、いつかみんなに有無を言わせず尊敬させるのだ。
わたしの欲しいものは立派な自分なのだ。」
お嬢は上まで登ったあと叫ぶ。
「助けてー〜ーー!」
その声で無情に自然が嘲るように感じた。
「助けてーーー〜ー!」
「だれか- - -たすけてよ」
ドルシェは崖をのぼり、お嬢の口をふさぐ。
「私に助けさせてください。お嬢様」
そっと微笑んでハグした。
その時、下にある炎剣が光る。石屑は浮いて、彼らの周りを取り囲む。まるで夢でも見ているように。
「妖明石は命に反応して光るらしいのだ!」
「と言うと?」
目に宿る魂を見ていい放った。
「ドルシェの私への情熱の事なのだ。きっと- - -」
お嬢は静かに目を閉じて力が抜ける。
ドルシェは絶句すると
「あったかいのだ」と今にも死にそうに浅い眠りににつく。
ほっとしたドルシェは情熱の刀を創造した。
手にまとわりつく妖明石は巨大な火柱に変わる。
「これが俺の成り上がりの序章だ!」
------------
テレビに映るはお嬢の姿だ
徳川埋蔵金のことを必死に喋っている。
「あそこはわたしの初めての友達ができた場所です。そして私の青春です。」
ドルシェ:「青臭いな。きっともっといいやつがいるさ」
そのテレビはドルシェを呼びかけた。
「砂金よりあなたが欲しかった」
ラーメン屋のテレビに振り返らず。
炎を操り飛んだ。
「食い逃げだ!」
「ヒャッホウ!よーく見ろお代は置いてあるぜ」
ふと店長は横を見る。時間稼ぎだと言う事に気付き、「つけだかんなーと手をを振り警察に連絡した。」
飛びながら、ドルシェは「はい、警察です」とその電話をとった。
「ナニー食い逃げ?そりゃ俺だ警察庁につけてくれって書き置き残しただろ?」
今の職業は執事のかっこした警察の雇われる探偵。金持ちなる執事だ!