ネクロポリスの入り口
暗がりのなか、光る妖明石がランタンのように地面に、「使え」と言うことか?何個か置いてある。
「先に進んだら出れるんだよねドルシェ?
ドルシェ、お腹減ったよー。足が棒だよー」
イライラしながら少女の愚痴を聞いていると、目の前に人影が見えた。
顔は重暗くてとなりに美少女がいる。
「うわ!」
「よくみてよ。これ鏡だよ」
「ただの鏡ではないな!前をみろ」
妖明石を打ち鳴らすと鏡が迷路のように入り組んでるのが見えた。
目の前の鏡をよーく見る。
(ただ前のすすめ、破壊は想像、行く末に創造、迷ったら割ってみよ。体力の無駄だろうとも」と大きく書いてある。
鏡を割って進めと言うことか?だが道は二つある。
二手に分かれ、さっそく鏡を叩くと、とても硬くて割れなかった。
自分の血まみれの手に急にお嬢の事も心配になった。
案の定お嬢も血まみれだ。
「真っ直ぐ進むのだ。きっと出口がある。本当に真っ直ぐ進むのだ。」お嬢は殴り続ける。
痛々しくてお嬢の手を掴む。
「離せ!」
ドルシェはいきなりお嬢の顔を見つめ言った。
「傷つくのは初めてですか?お嬢様。あなたはもう傷つかなくていい、私がやります。このまま真っ直ぐ進みましょう。これは賭けです。道は二つに一つですから。」
「二つに一つだけ?」
何か引っかかる。
ただ前に進め。
割っても体力の無駄。
無駄にならない最短は- - -
「そうか!この鏡はブラフ。私たちは二つの道を見て真っ直ぐに進まなかったんだ!ドルシェ戻るぞ!」
ドルシェは文字の書いた鏡を割ろうとするが手が止まった。
「これで鏡が硬かったらどうしますかね?」
「その時はわたしを殺していいよメノンにお詫びしにいく」
お嬢は覚悟ができていた。
ドルシェはお嬢の事を勘違いしていた。この子の目は私の怨みを気にしている、か弱いが優しい子なんだ!
「割れろ!」
パリン
ぱりん
、鏡が割れた音が響く。
その時風が吹いた、目の前に開けた空間が魔界を彷彿させた。
「ついたのだ」
「魔界だ」
何だこれ!
「街の下にこんなのがあったのか」
そこはまるで地下街だった。