第5話 初進化と出会いは唐突に
僕は職業を選択したので次は種族の進化をしようと思っていた。
ここで一応このゲームの進化システムを説明しておきます。
このゲームでは進化は種族が魔物系のプレイヤーのみ行うことが出来ます。その他の人間系のプレイヤー達。
例えば人間の場合はある一定のレベルとある条件を満たすと『転生』を行えるそうです。これは運営からの最低限の情報ですから条件とかはまだまだ謎ばかりです。
魔物の方は優遇されているわけではありませんが、数回目までの進化はただレベルを上げるだけで進化を行えるそうですね。その後は特定のアイテムの入手で進化出来るそうですが·····
それで、どちらにも共通することですが転生もしくは進化を行うことでレベルアップよりも大幅にステータスが上がるようになっているそうですね。
後、どちらの場合も転生後、進化後にはその先に適したスキルが入手出来るようですね。
そんな感じの転生、進化システムですが今回は早速レベル10になったのでもうやってみようと思います。
僕はメニューを開いてそこから進化先と表示されてるアイコンを押した。
[進化が選択されました·····所持スキル内に『光魔法』、『闇魔法』を確認中。進化先が追加されます。]
そうやってアナウンスが流れた。
えっ!?進化先の追加!?そんなの初めて知ったよ·····多分、隠し要素かな?恐らくはそのアナウンス通りに僕が特定のスキルを所有していたからだろうね。
まあ、だけど僕も運が良かった······仮にもゲーム内で僕しか居ない種族なのに進化先を分岐させるなんて····運営もなかなか粋なことをするじゃないか!
まあ、取り敢えず進化先の確認をしようか。
そうして僕が進化を見てみる。
進化可能
聖龍:聖の力を得た龍種。その得た力は絶大だが、それ以上の成長を見込むことは難しい·····
不死龍:不死の力を宿した龍種。強靭な肉体を得る代わりに魔法の力を弱めた。
条件進化先
混沌龍:光と闇の力を両方宿した特異体質。その相反した属性同士を宿した身体には底が知れない······(『光魔法』、『闇魔法』を取得した場合のみ)
まあ、決まってるよね。
僕は混沌龍を選ぶよ。
[混沌龍が選択されました。これより進化を開始します。進化中は移動が不可能です。開始しますか?]
Yes/No
勿論Yesだ!
[進化を開始します。暫くお待ちください。]
■■■■
[進化が完了しました。一部固有スキルが変化しました。固有スキルに追加されました。スキル欄に追加されました。それに応じて幾つかのスキルが消失します。その分の空きはまた選択が可能です。]
そうアナウンスが流れる。
やがて僕の視界は一度光に包まれ元に戻った。
僕はそこで、ふと、背中に違和感を感じた。なので僕が背中の方に首を振り向けると······そこには見事な対を成す黒と白の翼が生えていた。恐らくこれは進化の影響だろう。よくよく観察してみるとちょうど頭の部分から同じように黒と白の角が生えていた。これではかなり目立ってしまうだろう。
それは兎も角だ。進化したのでステータスを確認してみた。
名前:マキナ
性別:男
種族:混沌龍
職業:魔法使い
称号:魔物の天敵、相反する者
ステータス
lv. 10
HP 300(310)
MP 350(370)
体力 25(+3)
筋力 25(+1)
魔力 48(+10)
器用 42
敏捷 13(+3)
耐性 25(+2)
特殊 13(+2)
残りSP:10
スキル
種族固有:(人化lv.─)、(飛行lv.4)、(ブレスlv.5)、(混沌のヴェールlv.1)、(混沌魔法lv.5)、(龍人化lv.─)
ユニークスキル:(時空間魔法lv.1)
通常:(刀術lv.6)、(鑑定lv.6)、(錬成術lv.5)、(採取lv.5)、(罠解除lv.3)、(テイムlv.1)、(MP自動回復lv.1)、(魔力操作lv.1)、()、()
選択可能:2
装備品
角兎皮のローブ
角兎皮のブーツ
角兎の手杖
粗鉄の刀
·········何と言いますか·······何か最終感が半端なく感じられるような名前とスキルになっちゃいましたね。
何はともあれ自分のステータスです。見てみますかね。
相反する者:絶対に混ざり会わない二つを身体に宿す者に贈られる。(効果:不可能を可能にする)
???これは全く意味が分からないけど取り敢えずは保留で。
混沌のヴェール:全ての状態異常を無効化する。全てのダメージを10%カット。
混沌魔法:全ての属性が混ざった魔法。古代魔法。基本属性全ての魔法を使用できる。レベルに応じて使用できる魔法が増える。(使用可能:ボール系、ウィンド系、回復系)
龍人化:人間体に縮小した翼と角を顕現させる。
ああ、これだったのか。これはまあ、見た目を変えるスキルだね。今は邪魔だから切っておこう。僕がこのスキルの発動を切ると翼も角も消失した。
時空間魔法:古代魔法。禁忌の操作を可能にする。(使用可能:短距離転移)
短距離転移:自身を中心とした半径五メートル以内の移動可能。(消費MP5)
うーん、短距離転移は戦闘とかで有利に使えそうだね。例えば相手の後ろを取るとか。基本的にこのゲームは詠唱を必要とするので発言する必要はあるけどね。
それにしても、またスキル枠が空いちゃったね。また選びますか。
名前:マキナ
性別:男
種族:混沌龍
職業:魔法使い
称号:魔物の天敵、相反する者
ステータス
lv. 10
HP 300(310)
MP 350(370)
体力 25(+3)
筋力 25(+1)
魔力 54(+10)
器用 46
敏捷 13(+3)
耐性 25(+2)
特殊 13(+2)
残りSP:0
スキル
種族固有:(人化lv.─)、(飛行lv.4)、(ブレスlv.5)、(混沌のヴェールlv.1)、(混沌魔法lv.5)、(龍人化lv.─)
ユニークスキル:(時空間魔法lv.1)
通常:(刀術lv.6)、(鑑定lv.6)、(錬成術lv.5)、(採取lv.5)、(罠解除lv.3)、(テイムlv.1)、(MP自動回復lv.1)、(魔力操作lv.1)、(HP自動回復lv.1)、(統率lv.1)
選択可能:0
装備品
角兎皮のローブ
角兎皮のブーツ
角兎の手杖
粗鉄の刀
SPをそれぞれ魔力に6、器用に4を振った。
スキルの方は『HP自動回復』の方は『MP自動回復』のと同じ内容なので割愛させてもらう。
それで『統率』の方はこのような効果がある。
統率:テイムモンスターに対して自分のステータスの5%を上乗せする。
結構強力なものになると思う。まだテイムモンスター自体は居ないけどそのうちモンスターでも仲間にしたい。
恐らく『時空間魔法の発現』は『光魔法』と『闇魔法』を保持したまま進化したことによるものだと思うけど······それにしても序盤中の序盤からこんな魔法を持っていていいものかとも思うけど、これは僕が頑張ってレベリングした結果なので一応は納得しておく。·······納得できないけど。
まあ、これで当初の目標は達成したから早く町に向かおう。
僕は人化のスキルを使用したまま空に飛び立った。
■■■■
それから暫く空を飛んでいると、『飛行』が何回かレベルアップした。
案外すぐに上がるものなんだなぁと思ってしまったけど····仕方ないよね?
それでちょっと今、僕の眼下で悩ましいことが起こっている。
それは·····5人組の恐らくフルパーティーであろう男女が敵の飛行型の魔物に囲まれている事だ。
まあ、これは──────「助けるしか無いでしょう。」