11話 新たな町へ
:『森精霊』のテイムに成功しました。
:スキル『テイム』のlvが上昇しました。
:称号『精霊の主』を取得しました。
そんな通知と共に目の前の森精霊をテイムし終えた。
「ふふ。これからよろしくお願いしますね。ご主人様。」
「ああ、うん。よろしくね。それと、僕のことはマキナって呼んで欲しい。」
「はい。分かりましたマキナ様。これでよろしいですか?」
「うん。それじゃあ早速なんだけど君が持っている樹魔法の説明をしてくれる?」
「はい。それは構いませんがその前にまず一つ。私に名前をつけてください。」
「あぁー、名前かぁ。そうだね········シルヴィ····これでどうかな?」
「シルヴィ·····シルヴィですか。はい。これから私はシルヴィです♪」
「気に入ってくれて良かったよ。それで、早速だけど樹魔法の事を聞きたいんだ。」
「はい。それでは······先ず樹魔法とは私達森精霊及び植物系種族のみ取得できる特殊な魔法です。主にその名前の通り樹を操って攻撃やサポートをします。消費魔力も控えめで中々燃費の良い魔法になっています。·····今の私から言えることはこれくらいですね。他にはございますか?」
「それじゃあ、君たち森精霊って普通にテイム出来るの?」
僕がそれを質問するとシルヴィはかぶりを振って否定した。
「いいえ。それは出来ません。私達森精霊をテイムするには今回のようなクエストを通じてのみテイムが可能です。それに、今回マキナ様がフォレストフェアリーの核を使用して私を見つけたように、そのアイテムを使わなければ発見すらも叶いません。例えどのような協力な識別スキルや探知スキル、探知魔法を使用しても私達は絶対に見つけることは出来ません。そもそも精霊自体がそのようになっています。私達の他にも沢山の種類の精霊が存在しますが彼女たちも特別なアイテムを使用してのみ見つけることが可能ですね。どうですか?」
「うん。良く分かったよ。」
正直彼女から得た情報はとても大きかった。これから先精霊を見つけようと思えばまた今回のようにレアドロップを狙わなければならないようだし、テイムに関してはクエストをこなさなければならなかった。
情報も得られたし、そろそろ一旦ログアウトしなければならないので最寄りの町、『ケルン』に行くと決めた。
「あの、マキナ様。」
「ん、なんだい?」
「私のステータスが多少上がっているのですが·······」
「ああ、それなら僕のスキルに統率って言うのがあって、それのお陰だよ。」
そう言いながら、そういえばスキルのレベルがかなり上がったなと思い返していた。フォレストフェアリーの核をもう一度入手するためにかなり乱獲したからレベルこそ殆ど上がらなかったがスキルは大量にレベルが上がったのでステータス更新を兼ねてステータスを表示させる。
名前:マキナ
性別:男
種族:混沌龍
職業:魔法使い
称号:魔物の天敵、相反する者、精霊の主
ステータス
lv. 11
HP 310(320)
MP 360(380)
体力 26(+3)
筋力 26(+1)
魔力 55(+50)
器用 47(+25)
敏捷 14(+3)
耐性 26(+2)
特殊 14(+2)
残りSP:2
スキル
種族固有:(人化lv.─)、(飛行lv.6)、(ブレスlv.10)、(混沌のヴェールlv.6)、(混沌魔法lv.10)、(龍人化lv.─)
ユニークスキル:(時空間魔法lv.4)
通常:(刀術lv.10)、(鑑定lv.10)、(錬成術lv.6)、(採取lv.7)、(罠解除lv.3)、(テイムlv.4)、(MP自動回復lv.5)、(魔力操作lv.6)、(HP自動回復lv.5)、(統率lv.1)
選択可能:0
装備品
角兎皮のローブ
角兎皮のブーツ
角兎の手杖
粗鉄の刀
魔力糸のリボン
魔力糸のブレスレット
魔金属の指輪
闇のイヤリング
累計効果:(全MP消費量-5)、(全魔法威力+5%)、(闇魔法の威力+15%)、(全状態異常無効)、(全ダメージ15%カット)、(全魔物へのダメージ補正+1%)、(HP自動回復10/分)、(MP自動回復10/分)
スキルのレベルアップによりそれぞれ効果が上昇しているが先ずは見てみよう。
飛行:消費MP1/5分
ブレス:現在使用可能 (ファイアブレス)、(ウォーターレーザー)、(ウィンドストーム)
混沌のヴェール:全ての状態異常を無効化する。全てのダメージを15%カット。
混沌魔法:全ての属性が混ざった魔法。古代魔法ロストマジック。基本属性全ての魔法を使用できる。レベルに応じて使用できる魔法が増える。(使用可能:ボール系、ウィンド系、アロー(矢)系、回復系)
刀術:現在使用可能 (一閃)、(連戟)、(抜刀)
鑑定:現在使用可能 (鑑定)、(看破)、(解読)
魔力操作:MP消費を軽減する(レベルアップで効果の上昇 現在:-2)
後は自動回復系二つだけどそれはそれぞれ回復量が毎分5から10に増えた。
他はそれぞれの技の内容。
ウィンドストーム:風属性の強力な範囲攻撃
アロー(矢)系:各属性の遠距離系魔法。ボール系の上位。
抜刀:納刀状態から抜刀と同時に敵を切り裂く。筋力と敏捷でダメージが変わる。
解読:古代の文字などを読めるようになる。
そして新たに追加された称号。
精霊の主:精霊を一体以上テイムしたプレイヤーに贈られる称号。精霊と遭遇した際に友好度に補正。
このような感じだ。更にシルヴィのステータスも。
名前:シルヴィ(森精霊)
性別:♀
種族:精霊
ステータス
lv. 12
HP 70(85)
MP 200(218)
体力 5(6)
筋力 5(6)
魔力 35(37)
器用 20(22)
敏捷 30
耐性 10(11)
特殊 20
スキル
(物理無効)、(全状態異常耐性lv.5)、(樹魔法lv.8)、(精密魔力操作lv.2)、(自動MP回復lv.1)
例のごとく括弧内は僕の統率スキルによる補正だ。
そしてスキルはこちら。
物理無効:特定の種族のみが持つ。全物理攻撃によるダメージを0にする。
精密魔力操作:魔力操作の上位互換。現在MP消費-5
因に言っておくが通常スキルの殆どは最大レベルが10で、そこから更に一定以上のスキル熟練を重ねると進化する。
そして両方のステータス、スキルの確認が終えたので町の方に歩みを進めた。
■■■■
[『ケルン』の町に初めてのプレイヤーが入りました。ケルンの町、中央広場をリスポン地点に設定できます。]
どうやらこのまちに来たのは僕が初めてらしい。それと暫くはこの町を拠点に攻略を進めようと決めたのでそのアナウンスに従ってこの町をリスポン地点に登録した。そして時間も飛行を使ってきたのでかなり余っているので折角だし町を探索してみることにした。
それから暫く町のメインストリートを主に見ているとNPCが経営している道具店を見つけて気になったので入ってみた。
「いらっしゃい。どうぞゆっくり見てってくれ。」
そういって僕を迎えてくれたのは初老のおじいさんだった。
そういえばまだ作成した解毒ポーションを売ってなかったと思い出してそれらを売却したらそれなりの値段になった。
「あの、おじいさん。これ、なんですか?」
僕がそう言いながらおじいさんに聞いたのはとある商品だった。そのアイテムは恐らくポーションだろうけど普通のHPポーションは緑色なのに対してこれは黄色だった。しかしそれでも札にはHPポーションと表記があったので気になって聞いてみたのだ。
「ああ、これかい?それなら甘いポーションだよ。普通のポーションはとても苦いからその効果に対して売り上げがあんまり良くないんだよ。そこで、開発されたのがこのスイートポーションというわけだよ。黄色、と言うよりもはちみつ色かな?それが開発されたんだよ。なんといっても甘いからね。従来の苦いポーションよりもとても飲みやすいんだけどコストが高くてね、あまり出回ってないからこの通り値段が高いんだ。」
そう言われて値札を確認してみると確かに通常のポーションよりも高かった。普通のポーション(HP・MP)が100メルナに対してスイートポーション(HP・MP)は250メルナと2.5倍の値段だった。もしかするとこれは売れるのでは?と思いおじいさんに材料を聞いてみる。
「ねぇ、おじいさん。このポーションってどうやって作るかわかる?」
「ああ、それならば普通のポーションに『プリムラの花』から取れる蜜と錬成、もしくは調合するとそのスイートポーションになる。ただ、その『プリムラの花』が少ない上に取れる場所がこの町から南にある『セブラ草原』というところにしか無くて、さらにそこには強力な魔物が跋扈していてね。中々近付くことが出来ないんだ。それに、ここらはこの国でも辺境でね、強い冒険者や騎士様が居ないんで採ろうにも中々行くことが出来ないんだよ。所で君。見たところ君は旅の冒険者かな?」
旅の冒険者。それはこの世界のNPCが僕たちプレイヤーをそう呼ぶ。
「ええ、そうですけど。」
「おお、それならば頼みたいことがあるんだ。先ほど言った『セブラ草原』に行って『プリムラの花』の蜜を採ってきてくれないか?」
通常クエスト
道具店の老人の依頼
内容:『セブラ草原』に向かい『プリムラの花』を5本集める。期間無期限
報酬:スイートポーション×5、1000メルナ
ふぅむ。どうせ探索するのでついでに受けるか。
「ええ、良いですよ。取ってきてあげます。」
「おおっ、そりゃ助かる。採ってきてくれたらお礼にスイートポーションと少しばかりの金銭をやろう。」
そうしてクエストを受けることになった。