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Changeling  作者: decoppa
8/12

7:森を抜けて

 森をさ迷って2日がたった。


 相変わらず方向感覚が掴み辛い森だ。元の道からどれぐらい離れてしまったんだろう。


 幸いにして、食料には困らなかった。


 セアは口に木の実を放り込みながら、ため息をつく。



 「お風呂…入りたい…」


 「さすがに、水浴びくらいはしたいよね」


 アーシルは自分の髪を弄りながら、セアの独り言に同意する。


 孤児院にいた頃にも、野営の訓練はしてきたが、所詮は街で育った2人。ベッドなし、風呂なしが数日続くのは地味に辛かった。


 

 「あとは…美味しい羊のお肉…」


 セアがそんな話をするものだから、アーシルもお腹がすいてきた。

 気のせいか本当に肉を焼いた匂いがする気がする。



 「お肉の…匂い…」


 セアは鼻をすんすんと鳴らした。セアまで幻覚を見だしたのだろうか。



 「アーシル…お肉の匂い…!」


 セアはアーシルの肩をぱんぱんと叩いた。


 アーシルははっとして、注意を凝らして匂いを嗅ぐいだ。



 「…?本当に肉を焼いた匂いがする」


 近くに人がいるのかもしれない。2人は弾かれるように走りだした。


 木々をかき分けて進むと、だんだんと光が射し込んできた。


 「森から出れるよ!セア!」


 「…うん!」



 

 森を抜けた2人は、久しぶりの明るさに目を眩ませた。


 少しずつ慣れてきた目で辺りを見回すと、丘の上に小さな集落を見つけた。



 「村だ!」


 アーシルとセアは、久しぶりの人の気配に喜んで駆けていく。


 近づくにつれ、先ほどした肉を焼いた匂いも強くなる。太陽の位置からすると、昼ご飯の時間だろうか。


 村の周りには、柵で囲まれた広い土地がいくつも見える。その中には、牛や羊が数多くいる。牧畜を営んでいる村のようだ。



 村に近づくと、入り口にあたるであろう、木でできた門のようなものが見えた。


 そこに、村の男らしき者達が集まり、何やら話し合いをしているのが見えた。



 アーシルとセアが近づくと、その中の1人が気づき声をかけてきた。



 「お前達!もしかして…アーシルとセアか!?」


 そこには、アーシルとセアの見知った人物がいた。

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