それでも声を掛けますか?
仏教用語に「五欲」と言う言葉があります。これは目、耳、鼻、舌、身の五つの感覚器官が、色、声、香、味、触の5つの感覚対象に執着し、引き起こされる5種類の欲望のことでありまして、該当するものに財欲、性欲、飲食欲、名誉欲、睡眠欲の5つがあります。
これらの事柄は、ヒトのみならず。地球上の生物全てに共通する「生きていくために必要なこと」そして生物として生まれた以上避けて通ることの出来ない「次の代へ繋げること」を成し遂げるため。あらかじめインプットされたものでありますので、どんな出来たかたでありましても、それら五欲から逃れることが出来ず、地位を失う原因となるかたも出て来る一方、五欲を満たすために活動されているかたのほうがむしろ多いのかもしれません。
で。力のあるものが……。と言うことが「これでもか!これでもか!!」と書き連ねられているのが所謂「歴史」なのでありますが、その力と言うモノが、技術の進歩などによりましてヒトの力を必要としないところまで大きくなるにつれまして、
(……別に男で無くても出来るじゃん。何威張ってんだあいつ……。)
となってくるようになり、これまで弱者。守られる立場に甘んじていたかたがたが台頭し、これまで虐げられて来ました様々な事柄に対し、声をあげるようになり、やがて「法律」と言う形で身を守ることが出来るようになりました。そのこと自体は全く問題の無いことなのでありますが……。
ここから男女の出会いの話に入ります。基本的には、男のほうから声を掛ける(=最初に向こう(男)が言い寄って来たのだからきちんと相手(女性)の面倒を見なさいよ。)ことになるのでありまして、
(……もしかして……)
と断られることも覚悟の上で男性が女性にアプローチを試みることになるのでありますが、これがうまく行けば良いのでありますが……。駄目な場合でありましても、それはそれでまだ良いほうでありまして……。
で。今の法律を読んでみますと
「軽犯罪法第1条28より」
他人の進路に立ちふさがる。もしくはその身辺から立ち退かない。又、相手に対し不安もしくは迷惑を覚えさせるような仕方で他人につきまとった者は、拘留又は科料に処する。
……君の瞳では無いところに逮捕されることになります。
で。
(……アプローチ繰り返したりしますと……)
今度は「ストーカー規制法」が適用されることとなり、半年以下の懲役が科される。
(……隔離されることと相成ります。)
その基準の中で大きなウエイトを占めることになりますのが
(……相手次第。)
(もちろん法律が出来ると言うことは、この文言を書かなければならない事件が実際に発生したからでありますので。)
これはストーカー規制法が出来る以前のことでありますが、中学の時同級生になった子が小学生の時に無謀にも同級生にアタックしましたところ、
(……手紙の中に鋭利なモノが……)
と言う実話を聞いてから
(……女って怖え……)
と思いながら生きておりますが。その話は除いたとしましても、これだけ法に触れる危険性のある。しかも適用される基準が相手の気分次第である状況の中。
(……よくみんな声を掛けることが出来るよな……。)