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episode:005 食料確保と水不足

ミライは食料を求め、船内の探索を続ける。

 うさちゃんに案内されるまま進む。

 途中で何度が通路を曲がりやがて大きな扉の前に辿り着いた。

 扉には何の案内板もない。

 扉の横には、扉の開閉用のコントロールパネルがあり何かしらかの操作が必要ではないかと危惧したが、近づくとすぐに扉が開き始めた。

 大きさの割に、起動音はほとんどなくゆっくりと扉は開いていく。


 扉の向こう側は暗く中の様子は分からなかった。

 いくつかの光の点滅があり、施設が生きていることが分かった。

 部屋へと踏み込む。

 すると、部屋の明かりが付き、部屋全体、施設全体が明りに満ちる。

 それは部屋と呼ぶには大きすぎる施設だった。工場といってもいい。

 太い管が幾重にも重なり入り組み、接合している。


「有機生産施設は稼働中です。

 施設にアクセスします」


 うさちゃんの声に合わせて、部屋の中央部で円柱が床から上がってくる。


「有機生産施設の設定を食料生産に切り替えました。

 もうしばらくお待ちください」


 チン。という音と共に円柱の中央部が開く。

 中には銀の袋があった。開けてみるとクリーム色をした四角い一口大の固形物が20個ほど入っていた。

 最初の物は臭いからして駄目だった。色もよく見ると緑色が混じっていてどう見ても食べ物ではない。

 試しに一口かじってみたが、今まで食べたことのない劇的なマズさだった。


何度か起動させ、ようやく口にしても大丈夫そうなものが出てくる。

 口にしてみるとサクサクとした食感と何とも言えない味わいが口の中に広がる。


「・・・あんまり美味しくない」


 贅沢を言ってはいけないと思いつつ、思わず素直な感想が漏れてしまった。

 こうして食料と言える物が手に入っただけでも幸運といえた。

 船内では200年経過しているのだ。何のメンテナンスもなしにこれだけ稼働しているだけでも奇跡に近い。


「食べ物は手に入った・・・」


 私はあたりを見渡した。

 部屋中に張り巡らされた管はだだ無作為にあるわけではない。

 管は大きなうねりとなって、同じ方向へと向かっている。

 そこに何かがあるはずだ。

 部屋の隅に、入り口があった。

 そこには、一般船員の立ち入りを禁止する旨の警告が書いてあった。


「ここから先に進むのですか?」


 うさちゃんの言葉に私は頷く。

 先ほど手に入れた食料を背中のリュックに詰め込む。

 味はともかく、これがあれば数日は生きていける。


「食料は手に入った。あとは水ね」


 私は、部屋の隅の扉を開ける。

 大きな軋みを上げながら、扉はゆっくりと開いていった。


・ミライ 性別:女 年齢:16歳

 所持品 靴1足

     簡易リュック 携帯食料 3日分




■水

 人間の身体は、その60%が水分だと言われている。そして、その水分の10%が失われると命を失うほどの危険な状態となる。宇宙空間において水の確保は船内の生命維持活動においても重要な要素だ。そして、水は生命維持だけでなく宇宙船の活動においても重要な要素になっている。

 水素原子を利用したイオン推進器、核融合炉などエネルギーとして、また船内を清潔に保つための洗浄用など使用用途は多岐にわたる。水の元素記号はH20であり、電気分解をすれば酸素と水素に分かれる。酸素は呼吸に、水素はエネルギーに、様々なことに活用できるまさに魔法のアイテム。宇宙空間で水は比較的容易に手に入れることができる。彗星や宇宙を漂流する小惑星など様々な場所で手に入れることができる。


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