episode:019 滅亡人種003
「実験場・・?ここで何かの実験が行われているの?」
「さあな、俺は詳しいことは知らない」
ルカスはそっけなく言った。何も知らないくせに意味ありげに言っていたというのだろうか?
「そんな顔するな。ダウナーのじいさんがそう言っていたんだよ」
私の反応を見て、ルカスが弁解するように言った。意外とかわいい一面もあるようだ。
「ダウナーさんは知識者なんだよ」
「知識者?」
「そうだ。この世界に関する情報を語り継ぐ者だ」
「その人に会えば色々なことを教えてくれるの?」
「偏屈な爺さんだけど・・いい人だよ」
リタはちよっと苦手なのか苦笑しながら言う。
「集落に行くよりもダウナーの方に行った方がいいかもしれないな」
「そうだね」
きゅるる。
そこまで聞いていた時に私のお腹が鳴る。
「空腹警報!」
リタがすかさず声を上げる。
私は恥ずかしさに赤面しながらリタを軽く睨みつけた。
「おっと、腹が減っているのか、ロボ」
「はい」
「何か食べるものを」
「何か、とは何でしょうか?」
「あのねえ、ロボはそんな言い方じゃ動いてくれないんだよ。ロボ、パンと水を一人分用意して持ってきて」
「了解しました」
リタの言葉にロボがすぐに反応した。
ロボにはそれほど高度なAIは搭載されていないようだ。
「とにかく空腹はよくないわ。食べてからあんたの話を聞かせて」
リタの言葉に私は黙って頷いた。




