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ピクニック

作者: 十津川彩

 週末、ある男女がピクニックに行くことになった。

 バーベキューをして、ビールを飲む。それだけだけれどとても幸せなこと。

 肉も野菜も買って準備は整った。

 男はそれなりに距離があるので電車で行こうと思っていた。しかし女性は「電車はだめだ。車で行こう」と言った。二人は自分の案がどれだけ良いものなのか必死に訴えたが、お互いに聞き入れようとはしなかった。


 彼には理解ができなかった。

 なぜ電車ではなく車なのか。

 でこぼこした山道を運転していたらお互い、遊ぶ体力もなくなってしまう。


 彼女にもまた、理解ができなかった。

 なぜ車ではなく電車なのか。

 お金がかかるし、駅を降りたら目的地まで徒歩だ。遊ぶ体力もなくなってしまう。


 二人はお互いを罵倒しあい、なぜ車が、なぜ電車が、ダメなのか必死になって叫びつづけた。

 もうすぐ予定していた日付が来てしまう。

 一緒にバーベキューをしたかっただけなのに、一緒にビールを飲んで語らい合いたかっただけなのに。

 だからこそ二人は譲らなかった。

 結局、ピクニックには行かなかった。




 買った肉は家で笑いあいながら食べた。

言い争いの種って本当どうでもいいところにありますよね。このお話があなたの心の片隅にでも住まわせてもらえたら幸いです。

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