第1説 もし、時間が止まったらどうなるか。
よくみんな、時間が止まると、全ての動きが止まるって言うだろう?
でも、それは認識が間違っていると俺は思う。
正確には、その現象は『空間進行現象が停滞する』という。
では、時間を止めると、実際どうなるか。
その答えは恐らく、お前らには難しく聞こえるだろう。
答えは、こうだ。
『全ての動作は止まらない。止まるのは、経過する歴史的時間だけだ』
おそらく、今お前らの頭の上には、疑問符が大量発生を続けていることだろう。
だが安心することだ。
今から全て説明してやる。
簡単に説明すると、『不老不死現象』が発生する。
物の動作は変わらないが、それ事態に流れる固有の時間は止まる。
そもそも、時間の認識が間違っていると俺は思う。
時間は、全ての世界に共有されて流れているわけではない。
それぞれ、固有の時間があり、それぞれ、その中で流れている。
金属に例えるならばこうだ。
金属は、時間がたつと変形したり、錆びたりする。
しかし、その時間が止まってしまうと、その金属は決して、何が起ころうと壊れないし、変形しないし、錆もしない。
人に例えると、つまりは不老不死になるわけだ。
傷すらつかない無敵の人間。
それはつまり、時間が流れなくなり、その場で、その状態が止まってしまったかのような。
それは、時間という概念をもつ我々には、想像もつかないことのように見えるのである。
これが、俺の見つけた『もし、時間という概念がなければどうなるか』の思考実験結果である。