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冒険6歩目

テントとは意外と頼りになるものだな。

これからは『テントバリア』と呼ぶことにしよう。



ヘッドギアを外して部屋を出る。

途中で妹のまいの部屋の前を通りかかったが気配からしてまだゲーム中のようだ。

一つ下の妹である舞も俺と同じ0Gオンラインをプレイしている。

ゲーム中で会わなかったということは大勢の中で紛れてしまったのか違うグループに飛ばされたのかのどちらかだろう。

まあそのうちに会うこともあるかもしれないので気にしないことにした。

必要とあれば向こうから声をかけてくるだろう。

台所で水分補給をしたあとは漫画を読んで過ごすことにした。





夕食後、さっそくログインしてみる。

オオカミの気配はすでになかったが周囲は真っ暗だ。


しまった、午後6時過ぎということはこちらは絶賛真夜中じゃないか。


このままでは右も左も分からない。

仕方なく夜に対応できるスキルをとることにした。


調べた結果分かったのは【(P)夜目】【(A)火魔法】【(A)光魔法】【(A)生活魔法】の4つが夜にも対応できるスキルであることが分かった。

先の3つは文字道理。

変わっているのは【生活魔法】だ。


これは攻撃として使うには威力が低いが生活する上でちょっと便利になる魔法らしい。

薪に火をつけたりコップ一杯ほどの水を出せたりするらしく、消費するMPも微々たるもののようだ。

実際の性能がこちら。



(A)【生活魔法】攻撃力がない代わりに日常でちょっと便利な魔法を使うことができる。

アーツ:<フォティア>対象に火を灯す魔法。 MP1

    <ウォータ>コップ1杯分の水を出す。 MP1

    <ライト>足元を照らすことのできる光の球を出す。 MP1(維持消費 1/分)



今後も便利そうでちょうどいまほしいアーツもそろっている。

必要なSPも1ポイントだったのでさっそく有効化した。


<ライト>のアーツを使うと光の玉が出てテントの中を照らす。

光の玉は任意の場所に移動できるらしく、テントの頂点や手のひらの上など楽に動かすことができた。

手を振ると光の玉も追従してくる。

特に指定しない場合は設定された位置からついてくるようだ。

まあそうしないといちいち指定しなければ光の玉を置いてきてしまうからそういう設定にされているのだろう。


とりあえず光源の確保には成功したがこれからどうするか。

このまま『始まりの地』に帰ってもいいが道中で不意打ちされるかもしれない。

せっかく生き残ったのにそれでは損だ。

今やれることなんて特にないので朝になってからもう一度ログインすることにしよう。









ログインしました。

今は夏休み中なので遅くまで起きていても何も言われないのがうれしい。

テントの外をのぞくとオオカミはおらず、代わりにこんなのがいた。



[魔物] ジャイアントスパイダー Lv.7

討伐対象  パッシブ



こいつは仕掛けた巣にかからない限り襲ってこないことが昨日の時点でわかっている。

夜の間見かけなかったということは昼夜でモンスターの分布が変わるのかもしれない。


テントを片付けて昨日の道を戻っていく。



『始まりの地』につくと昨日とは打って変わって住居の仮組みができていた。

おそらくもう一度伐採に行くより今ある材料で作ることにしたのだろう。

製材された木材や切り屑があちらこちらに散らばっている。

石材組も帰ってきているようで基礎部分にはカットされた石材が置かれていた。

この調子だと石材組も死に戻ったのかもしれない。

死に戻りの際にロストした分も考えて掘立小屋が2、3軒できるくらいには材料が集まっている。

今はまだ作業を始める気がないようなので先に武器の調達を済ませることにした。


聞いたところによると端材に関しては好きにしていいようなので切り落とされてまとめられた枝の中からちょうどよさそうなものを探し出して加工する。

できたのがこちら。



[武器] 釘バット 【粗悪】

攻撃力 3~12  耐久 200  品質 1/10


木の棒に釘を打ち付けただけの武器。その一撃はシンプルゆえに凶悪。

稀に出血の状態異常を与える。

<効果>【出血(微)】



ついでに【(A)棍棒】スキルを習得しておいた。

これで多少戦えるようになっただろう。



(A)【棍棒】棍棒での戦闘に補正がかかる。最終ダメージにスキルLv×2%を追加。

アーツ:<クラッシュ>相手の防御値を20%低下させる。低確率で【気絶】を付与。 St5

    <サークルスイング>大ぶりの一撃。最終ダメージに25%を追加。 St10



表示させていたウィンドウから顔を上げるとすでに何人ものプレイヤーが活動を開始している。

小屋づくりも再開しているようなので手伝うことにした。


小屋は仮組みに板を打ち付けるだけの簡単なものにするらしく、木材をひたすら板状に切り出す作業だった。

まず丸太を板状に切り出す。

ログから行動記録を読み込み製作した板を登録。

あとは<短縮再現>でひたすら板を作り出す作業だ。

MPを消費しきったら回復するまで他のプレイヤーと交代。

MPの回復を待つ間は板を打ち付ける作業とローテーションが組まれている。




昼までに一軒が仕上がり、【木工】のレベルも3まで上がった。

できた建物は臨時的な庁舎にするつもりらしい。

当分はすることのない生産系プレイヤーが待機して職員の代わりを務めることになる。



一方石材組の方では石材のほかに鉱石が採集できたらしく鍛冶・彫金スキル持ちプレイヤーによって加工が開始されている。

集ったのは鉄、銅、錫、それからごく少量ながら銀の鉱石らしく、まずは貨幣の鋳造から始めるらしい。

現状貨幣が存在しない今物々交換での取引が主流となっているため、貨幣の製造が急務となっている。

貨幣価値は銀を基にした銀本位制で『鉄貨』『青銅貨』『銅貨』『銀貨』を作るようだ。

価値はそれぞれ鉄貨10枚が青銅貨1枚、青銅貨からは100枚ごとに繰り上がる。

銅貨、銀貨の間には50枚分の価値がある穴の開いた『半貨』を作り数える手間を減らす。

単位は鉄貨一枚が1Gゴールドということが決まった。

現在あるだけの素材を使って鋭意製作中ということだ。


物価に関しては目下の食料となるホーンラビットの肉ひと塊(1つ分)を100Gということにし、それを基準に今後の物価を決定するらしい。




貨幣価値や物価は適当です。

相場的な矛盾などがありましたら教えていただけるとありがたいです。

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