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守護霊なう  作者: 宇龍地
最終章
39/42

役目を終えて・・・

ん・・・ここは?


辺りは真っ白い世界だった。


マーリィやセイジ達どころか、ユウリもここには居ない。


どうやら俺の予感は正しかったようだ。


「おかえりなさい。お久しぶりですね」


聞き覚えのある「声」だ・・・


「あんたか・・・あんたはあれか?俺の居た世界の管理者って奴だったのか?」


今度はあの時のように横着はせず「声」を出す。

【念話】になるかと思ったが、予想に反して普通に「声」が出た。

今となっては懐かしい・・・生前の俺の(・・)()」だ。


「いいえ・・・私はあちらの世界の管理者の言っていた「上司」と言う者ですよ」

「・・・随分偉かったんだな。流石にビックリしたわ」


もしかして中間管理職か?


「ふふふ・・・もしかしなくても中間管理職ですよ」

「相変わらず心は読めるのか・・・だから横着して声を出す気もなくなるんだよな」


さて・・・これから俺はどうなるんだろう?


「あなたは無事役目を全うし、ユウリ君を無事神殿へと送り届けてくれました。そればかりか本当の意味でのイレギュラーである悪落ちした器や自然発生で澱みを溜めた器とのエンカウントを切り抜けることが出来たのはあなたのおかげと言うところが大きいでしょう」

「迂回するって手もあったけどな」

「それはあくまで「魔王の名残」あっての事でしょう?あれを手に入れられたのもあなたが居たからです」


まあ、あれこそイレギュラーと言えなくも無いけどな。


「あなたにはご褒美の他にボーナスステージも差し上げましょう・・・それがボーナスになるか試練になるかはあなた次第ですけど」


声が笑ってやがる。


「で、ご褒美とやらは決まったのか?」

「それはむしろこちらのセリフですよ。「あなたの希望になるべく沿うように」と言ったでしょう?」


そう言えばそんな話だったか・・・


「そうだな・・・自分の人生をやり直したいな」

「40で死んでしまったあの人生をですか?」

「ああ、あの人生をだ。考えてみれば、俺はあの40年間本当についてなかった・・・それと言うのもダメな選択の連続だったからだ」

「ほう」

「だが、あの人生の中でなら今度は正しい選択ができるんじゃないかと思う」

「仮に40で死んでもですか?」

「なに?」


どういう事だ?


「あなたの人生は40歳で意識不明の重傷を受け、植物状態のまま最大10年生きる・・・そう言う人生です。それでも良いんですか?」

「・・・そうだな、心積もりがあれば余計にがんばれるような気もする」

「さらに言うなら、「あなた自身」がもう一度同じ人生を送る事は出来ません。あなたはあなたの(・・・・)守護霊となり、助言をしながら40年をもう一度過ごす事になりますがそれでも?」

「それって・・・」

「ええ、転生としてその人生を送る事は出来ません。あなたの人生を送った魂は「導き手」として又どこかの異世界にいく可能性を持っています・・・あなたではダメなのです」


そう言う事か。


「・・・わかった、それでも良い」


俺は腹をくくった。

自分が満足するまでループなど出来ないと言う事だろう・・・ならやるだけやってみるだけだ。


「流石は私が認めた「導き手」です」


次の瞬間、辺り一面が白の世界から光の世界へと変わった。

次で最後です


エピローグだけはとりあえず日付が変わってからと言う事で・・・この後0時にアップ予約しています

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