夏休み中の文芸部【山】その2
登場人物名前一覧
日向碧
二年生
檜垣卯月
二年生
土屋誠市
二年生
木村啓
二年生
金村和喜
三年生
三水一姫
一年生
城島博人
卒業生
色々と読みにくくてすいません。
by作者
そろそろ日も暮れ始め涼しくなってきた合宿初日。
碧は自室で夏休みの宿題をしていた。
「あっ、もうこんな時間ですか」
ふと備え付けの時計に目をやると7時だった
そういえば皆は晩御飯どうするんでしょうか?
考え始めると自然と空腹感が押し寄せてくる。
「きりも良いし終わりましょうか」
立ち上がり私は部屋を後にした。
一階に降りてみると啓が暖炉前の椅子に座り本を読んでいた。
「なにを読んでるんですか?」
興味本意で聞いてみると啓がこちらに気付いた。
「やあ、ゾンビ系のスプラッタ物だけど、一冊貸そうか?」
「遠慮しておきます……」 誘いを断ると、冗談だよ、と啓が笑った。
「晩御飯ってどうするんでしょうか?」
さっきから気になっていた事を訊ねてみる。
「ああ、それは各々自分で勝手にしろって檜垣さんは言ってたよ」
なんとまあ、アバウトな説明ですね。
呆れつつため息をついてみる。
「皆はもう済ませたんですか?」
「うん、皆食べたんじゃないかな、まだ食べてないの?」
「ええ、まあ」
皆、先に済ませちゃったんですか。
しかし、お腹が減っていることに変わりはなく、私はキッチンに向かった。
「意外に沢山残ってて安心しました」
じゃあ、適当に何か作って食べますか。
私は簡単な晩御飯を作って食べたのであった。
――――――――――――
お腹もいっぱいになり食休みがてら暖炉前で啓とオセロをしていると卯月がやって来た。
「楽しそうだな、私も交ぜてくれ」
盤面を見つつ聞いてくるので負けた方が交代ということになった。
「勝率は?どっちが勝ってるんだ?」
「今四戦目だけど、僕は一勝もできてないよ」
目の前で大袈裟に肩をすくめながら答える啓をよそに私は白を角に置く。
「角が隙だらけですよ」
「あっ、しまった」
相変わらずなんでこんなにボードゲームが弱いんでしょうか?
ちょっと不思議に思いつつ今回も私が勝った。
「よし、さっさと変われ啓、邪魔だ」
「負けただけなのに酷くない?」
「負けるお前が悪い」
卯月は言い放ち啓をオセロの前からどける。
「そういえば卯月とこのてのゲームはしたことありませんね」
「言われてみれば、そうだな」
どれくらい強いのだろうか?
考えていると卯月は自信満々に言ってきた。
「言っておくが、私は強いぞ」
「お手柔らかにお願いしますね」
こうして卯月とも対戦した結果、私の負けだった。
「手加減ぐらいしてくださいよ、もう」
「すまんすまん、だが楽しかったぞ」
「角が取れていれば……」
一色に染まるのなんて初めて見ましたよ、本当に。
「で、啓はやるのか?」
卯月に言われ啓は肩をすくめた。
「勝てる気がしないから遠慮しておくよ」
「なんだ、つまらんな」
そう言いながら卯月がオセロを片付け始める。
「他の三人は何してるんでしょうか」
ふと気になり呟くとオセロの盤をしまいながら卯月が答えた。
「さっきまで私も一緒に麻雀してたぞ、というか誘ってきたから強いかと思ったら金村先輩意外に弱いな」
「麻雀ですか?」
ルールを知らないのでやったことはない。
「ああ、二回目はハンデに初心者の一姫と組んで二対二にしたんだが、誠市も弱いからな、勝った」
「そ、そうですか」
自慢気に言ってくるがいまいちすごさがわからなかった。
「そういえば、肝試しはいつやるんだい?」
すると啓が唐突にきりだした。
「二泊三日の予定だから明日で良いと思っていたが、やりたいなら今からでも良いぞ」
「でもそれだと明日の予定空いちゃいませんか?」
聞いてみると卯月は片付け終わったオセロを私にわたしながら言った。
「空いたら空いたで自由にすれば良いだろう」
「それもそうですね」
納得して同意するのだった。
食い物を作れないやつが、食い物を描写できるはずがない。
by作者