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今日の三組  作者: 白稲荷
2/6

期末テスト後の文芸部

登場人物名前一覧

日向碧(ひなたあお)

二年生

檜垣卯月(ひがきうづき)

二年生

土屋誠市(つちやせいいち)

二年生

木村啓(きむらはじめ)

二年生

金村和喜(かなむらかずき)

三年生

三水一姫(さみずいつき)

一年生

 色々と読みにくくてすいません。

by作者

 七月下旬、蝉が喧しく鳴き、熱線を放つ太陽が傾きはじめる昼頃。

 期末テストという忌々しい魔の三日間がつい先程終了し、生徒は皆思い思いの放課後を過ごす中、俺は一週間ぶりに文芸部に向かっていた。

 本校舎の二階、いつもは人通りも少ない唯一の渡り廊下も、期末テスト最終日である今日にかぎっては一週間ぶりに部活に行く生徒がちらほらいた。

 俺は運動部の掛け声を久しぶりに聞きながら廊下を渡っていると、長い黒髪の小柄な後ろ姿を発見した。

「おーい!卯月」

 声に気づいたのか卯月が足を止め振り返った。

「なんだ誠市か」

 俺を見た途端そう言うと卯月はわざとらしくため息をついてから、馬鹿を見るような視線で聞いてきた。

「テストはどうだった?」

「まあまあ、普通ってところだろ」

 嘘は言っていない数学以外はな

 自分に言い聞かせつつ出来る限り平静を装い自然に答えた。

「数学は危なそうだな」

 ばれていた、何故だ俺の演技は完璧だったはず。

 内心狼狽えまくっている俺に、卯月がニヤつきながら下から覗きこむように指摘した。

「いつから隠しきれていると思った、目が泳いでるぞ、誠市」

「なん……だと!?」

 予想していなかった答えに、思わず俺は迷言が口に出ていた。

「整髪料は万能だな」

 そう言うと卯月はニヤニヤしながら部室に向かって歩きだし、俺も一瞬遅れながら後ろについていくように歩きだした。



――――――――――――



 俺は部室の前に立ちドアを開けるか開けまいか考えていた。

 なぜか?怖いからだ。

 開けなくても聞こえる程の口論が部室内で渦巻いていた。

『私のプリン何処にやったんですか!!』

『だから、僕が間違えて食べたって言ってるだろ』

『何で食べるんですか!!取って置いたのに!!』

 聞いている限りでは碧が啓に一方的に捲し立てているようだった。

「どうかしたのか?」

 後ろで卯月が首を傾げている。

「いや、なんと言うか…………」

 答えあぐねていると、卯月が俺の前に割り込んできて勢いよくドアを開けた。

 そこには、座っている啓に目の前の席から碧がやはり捲し立てていた。

「あっ、卯月聞いて下さいよ啓が私のプリンを――――」

「おい、何を……やめ、おい!!」

 碧は卯月を見つけるや肩を掴み前後に揺すりはじめた。

「やあ誠市、おはよう」

 一方の啓はにこやかにそう言った。

「また、碧のこといじめてんのかお前は」

 俺はあいさつ代わりにため息と共に言った。

 そうすると啓は清々しいといった感じに、にこやかに答えた。

「いやいや、いじめてなんかいないよ?」

「はいはい、そうですか」

 俺は呆れながら適当な席についた。

「おい……啓……」

 するとドアの前でやっとのこと碧を剥がした卯月は、息をととのえながら啓を睨む。

「ん?なに?」

 いつもどうりの笑顔で啓が聞き返す。

「碧を怒らせるのは良い、楽しいからな」

「うん、そうだね」

 即答かよ!

 口に出さないように心の中でツッコミをいれる。

 卯月はその答えに頷きながら続ける。

「しかしだ、怒らせるなら私に迷惑の掛からない様にやれ、先輩かお前が生け贄になれ」

「うん、気を付けるよ、ごめんね」

 いや、そもそも怒らせるなよ。

 申し訳無さそうに謝る啓に、俺は声に出ないように再度心の中でツッコミをいれた。

「そんな事ばっかしてると愛想つかされるぞいつか」

 俺が呆れつつ言うと啓はにこやかに返してきて。

「大丈夫、加減はしているよ、それに」

「それに?」

 聞き返すと啓はとても良い顔で言い放った。

「怒られるのも楽しいしね!!」

 何でこいつ、こんな残念なイケメンなんだろう。

 俺は久々に本気で考えたのだった。


いやはや駄文で申し訳無い、これからもいっそうの努力をして参ります。

by作者

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