プロローグ続々
「お、お前は、だ、誰だ?」
俺は話しかけてきた奴(上半身が山羊のような男)に、精一杯勇気を振り絞って問いかけた。
「私はガリューと申します。以後、お見知りおきを。」
「……。」
悪魔のような外見とは対象的に、とても礼儀正しい態度のこの男は、なんとなく、執事を連想させた。
そうだ。それよりも先に、聞かなければいけないことがある。
「こ、ここはどこだ?」
すると、その男―ガリュー―は予想だにしない返答をした。
「ここは神界。全ての神様が集う場所です。」
……え?
神界?そんなバカな。神なんてものは架空の存在。
そうか、ここは夢か……。
早くこのわけの分からない夢から覚めてくれ、俺よ。
「言っておきますが、これは夢ではありません。」
……んな。
バカな、と言おうと思ったが、ガリューの表情は、とても真剣なものだった。
「わかった……。百歩譲ってここが神界だとしよう。何で平凡な高校生の俺が、こんな神界にいるの?」
そう、俺が言うと、ガリューは表情を崩さないまま、答えた。
「貴方は、我が主、雷神トへロス様に召されてこの神界にきたのです。」
「へぇ……。って召された!?って事は……。」
「死んだってことです。」
ガリューは平然と答えた。
……。って平然と答えてんじゃねぇぇぇぇ!!




