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プロローグ続
「なんじゃこりゃ……。」
思わず、そう呟いてしまった。
とにかく扉がデカかった。軽く10メートルは超えているのではないだろうか。
いや、それだけではない。
この扉、以前どこかで見たことがある。
たしか……、美術の授業のとき……、思い出した!
この扉は、ロダン作 地獄の門とほとんど同じだ。
違うとしたら……大きさと、考える人のポジションに別の何か(悪魔のようなもの)が立っていることぐらいだ。
俺はもう一度扉を見上げた。
……それにしても、ほんとうにリアルだ。
恐怖の色がとても強く込められている。
今にも、扉の中から悲鳴が聞こえてきそうなくらいだ。
そんなことを考えていると、後ろから急に声をかけられた。
「どうです?この扉は?」
「ええ、すごいです。恐ろしいぐらい……ってうわぁぁぁぁぁ!!!」
……びっくりしたぁ。




