プロローグ
プロローグ
「真実はいつもひとつ!」と、どっかのアニメで言っていた気がする。
なら、今俺が体験していることも、真実なのだろうか。
いきなり何言ってんだお前。とか思うかもしれないが、まずは話を聞いてほしい。
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俺―月沼来人十七歳―は、某日、学校に行くために、眠い目をこすりながらおきた。普段と何も変わらない朝だった。
普通に朝食を済ませ、学校に向かうため玄関の扉を開いた。
その日は雨だった。
俺は雨が嫌いだ。だから、できるだけ濡れないように大きめの傘を持ち、家を出た。
雷も鳴っている。
俺は雷も嫌いだ。一度、雷がすぐ近くの家に落ちたことがあり、その家が全焼して家族5人が焼け死んだと聞いたからだ。
おそらく、今日は俺の大嫌いな一日になるだろう。一年に何回思ったか分からないほどの、決まり文句を心に、俺は学校へ向かった。
十分ほど歩いただろうか。もうすぐ、学校に着く頃だ。
これで雨がしのげる……。そう思ったときだった。
黒い雲が光るのと同時に、俺の全身に激痛が走った。
そして俺は、意識を失った。
何時間経っただろうか。
俺は、見知らぬ空間で目覚めた。
何も無い。ただ虚空が広がっているだけのような、そんな空間だった。
ここがどこなのか確かめるために、俺は今いる空間を見渡した。
そして、空間の隅っこに、遠くて視認しづらいが、確実に扉だと分かるものを発見した。
ここは部屋なのか?
部屋とは到底思えないが、とりあえず扉があるから部屋ということにしておこう。
とにかく、俺はこの部屋から出るために扉の近くへ向かった。
そして、俺は扉を間近でみたときに絶句した。