崩壊
この国にきて一年と少しがった。
この国にも慣れてきて、けんねんだった英語も簡単な日常会話程度なら喋れるようになってきていた。
姉は語学学校に入って2学期で卒業し、すぐ近くの高校へ通っていた。
弟と私はこの頃に卒業しどの高校へ入学するか検討している最中だった。
国の色を反映しているのか、黄色や緑色の制服を取り入れている高校があり、悩まずにその色を取りれていない高校へ弟と共に入る予定であった。
この時の私は兄弟とも仲が良く、この暮らしにも慣れてきていて、日本に一時帰国ができないこと以外に何の不満もなかった。だから呑気に過ごしていた私は何にも知らなかった。あんな事がおこると...
その日は私だけが家にいたと思う。
‘ジリリ!ジリリ‘
と玄関のほうからチャイムが鳴った。
玄関のドアを開けてみると、そこには2人の警察官がいた。
なんか近くであったのかな?と思い訪ねてみると、
警察官‘母親がDVを兄弟にしていると通報を受けた。あなたもされているか?‘
え?英語の聞き間違いかな?
色んな意味で理解できなかった私は何度も聞き返してたと思う。数回聞いていくうちに余計混乱していく中、やっとのことで
‘私はなにもされてない。大丈夫だ。‘
と答えた。この時私の答えが逆だと大変なことになっていたことを後で知る。
警察官‘母親に何かされたらすぐ通報するんだ!‘
と言って帰っていった警察官達。
何が起きているのかよくわからずその日は過ごした。
数日が過ぎやっと理解した。
帰ってこない姉と弟。泣き崩れて誰かとずっと電話している母親。
そう。この国では片親がDVを子供にした場合、もう片方の親が(別居や離婚している場合)引き取るというものだ。
何の相談もなしに急に海外に連れてこられ、一時帰国もさせてもらえない姉と弟が(どちらが持ち掛けたことか知らないが)このような手に出て日本に帰ろうとしていたのだ。
ショックだった。気持ちは痛いほどわかるがここまでする必要はないと思う。もしあの時、私が警察官に‘されている‘と答えたら、母親は刑務所行きだった。
日本に帰りたいのはよくわかる。でも家族を裏切るような真似はしてほしくなかった。
1人泣き崩れる母親になんて声をかけていいのかわからず胸が張り裂ける思いだった。この時の母親は一生忘れられないと思う。いまだに脳裏にこの時の光景が鮮明に蘇る。
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胃腸炎で投稿ができませんでした。
また徐々に再開していこうと思います。




