相棒のダンジョン攻略!
距離はあまり遠くなく程なくしてついたようだ。
「なんだか、ざ、これだぜって感じだな」
「ええ、直球すぎて面白いまでありますよ」
入り口にはドクロの飾り物がありその近くに看板で「死者の道」とかいてあるな。
まあ確かにただならぬ気配は感じられるのだがな。
一応羅刹に毒関連の状態異常の有無だけ確認してもらってから侵入だ。
今回は羅刹が先頭で私とナックルが後ろだ。
まあ最悪魔法で戦えばいいだろとか思っていまだにだっこしているぞ。
中はそこそこに暗いのだがまあその程度なら火を灯せば問題はない。
一応生物の気配は感じないが警戒はしておこう。
進んでいくと扉が出てきたようだ。
その横には看板があったため羅刹に読んでもらおう。
「羅刹、その看板読めるか?」
「ええ、もちろん読めますよ。えーと…どうやら扉の先の空間は毒ガスで満たされているみたいですね。私たちは大丈夫ですがナックルが心配なので空間内の毒ガスを消しておいてもいいですか?」
確かにここでナックルが退場しては私としてはいただけないな。
「よし、じゃあ頼むぞ」
「ええ、わかりました」
羅刹は扉に手をかざして目を瞑ってからゆったりと開けた。
「はい、完了ですよ。では先に進みましょうか」
羅刹は扉を開けてずかずかと入っていった。
内部に生物がいる可能性などは気にしてないのだろうか。
まあどうせ気配は探り続けているのだろうけどな。
私も羅刹に続いて入っていくぞ。
内部の空間はまああんまり広くはなかったな。
皮膚に触れた瞬間にアウトの毒とかじゃなければ息を止めて普通に突破できるレベルであったな。
出口の扉から出ると後ろの扉がなくなって代わりといわんばかりにアンデットがたくさんでてきたぞ。
「ついに戦闘シーンだぞ。しかも集団相手だから頑張ってくれよ」
「いやこのレベルでは戦闘シーンはまだ拝めませんよ」
羅刹はそういうと小口径サイズの氷の塊をいくつも生成してアンデットの脳天に発射し始めた。
ヒュンヒュンヒュンヒュン…
全ての弾が確実に脳を破壊して大量殺害を完了させた。
気になったのはアンデットは死んだ直後にみんな消えちまったことかな。
もっと気合い入れれば動けたのに消えてしまうとは情けない…
そんなことを言っていると次の扉が出てきた。
「なんだか味気がないですね。このレベルではとてもじゃありませんが死者の道なんて言えませんよ?」
「まあまあ、この先に何か面白いものがあるんじゃないか?」
そんなことを言いつつ羅刹は扉を開けて次のフィールドに入っていった。
次の空間はどうなってるのか分からないがマグマが下に溜まっていてその上を綱渡りしていくようだ。
いかにも破損しそうな鉄骨だったのでオチが読めそうだがとりあえず羅刹に進ませた。
「なんだか壊れそうですね。まあ私も貴方もこの程度を渡るぐらいでは造作もないのですがねっと!」
渡り切った瞬間に鉄骨がぶっ壊れて落っこちてしまったようだ。
「どうしますか?まあ方法は何個かありますがね」
「まあここは私に任せてくれ」
もちろんジャンプで行くぜ!
距離は10mほどだ!
「いつでもいいですよー」
羅刹からの合図のようなものがあったためスタートだ!
「見とけよナックル!これが私の力だーー!!」
圧縮した力を解放して一気に最高速度まで持っていき羅刹の方へダーーーーイブだーーーーーー!!!!!
そんな感じで羅刹に激突したのだが既に準備ができていたようだ。
「流石ですね。私もロマンを張っていなかったら危なかったですけども」
「まあこれは見越していたことだろ?逆に言えば羅刹が受けなかったらもしかしたら軽い落石が襲いかかってきたかもしれないぜ?」
ジョークを言いながらも次の扉に入っていくぞ。
どうやら最終階層らしい。
まあ厳密には階層ではないのだがな。
だがしかしそんなことは置いておこう。
最終ゾーンには何やらネタが尽きたかのようにゾンビのように肌が爛れているでっけぇドラゴンがいたぜ。
本来であればロマンの血が騒ぐのだがここは一旦自制心を発動して羅刹に行ってもらおう。
まあ最悪の場合ば私のロマンが全てを破壊するから問題はないだろう。
「いってこい羅刹!あいつをぶっ殺してやれ!」
「私に殺戮趣味はないのですがね。まあいってきますよ」
羅刹はそういってドラゴンに向かい始めた。
さてと。
こっからの戦闘描写シーンは自動なんたらに任せるからよろしくな!
羅刹がシールドの準備をしながらドラゴンに接近していくとこちらに気づいたようだ。
「グオォォォォ!!!」
雄叫びをあげてから羅刹の位置を確認するといきなりブレスをしてきた。
相手のとのロマン比べをしたいのか羅刹は回避をせずにシールドを張った。
かなりの高出力のブレスであったが羅刹のシールドは防げないようだ。
シールドを張りながらもいくつかの地点で魔法を発動させて様々な属性で攻撃を開始した。
どうやら有効な属性を見つけるための簡易的な魔法らしい。
ドラゴンはいくつかの属性はほとんど無効化したがそれ以外では確実にダメージを受けていた。
「火、風、この二つですね」
そういうと羅刹はそれらの最大出力を発動しようとしたがやはりそう簡単にはいかないようだ。
ダメージをもらってキレたドラゴンはブレスをしながら尻尾を振り始めた。
今回はシールドを使わずの体術のみの回避をしつつドラゴンの飛躍を警戒しながら火の魔法を発動した。
「燃えろ。ファイアワーク」
その瞬間に特大の火柱が立ってドラゴンを飲み込んだ。
「グオォォォ…」
断末魔も虚しくかき消されて焼き殺されてしまったようだ。
しかし羅刹は気づいていないのか、はたまた復活を予想したのか風の魔法まで撃ってしまった。
「吹き荒れろ。トルネーダー」
その瞬間に周囲を切り裂く凶悪な風が多量に発生した。
そこでようやく死体を確認したらしい。
「あら、一点型でしたか。残念なものですね」
いや普通に強すぎじゃね?
あんなん食らったら私死んじゃうぞ?
「お疲れちゃんだな。まさか山張ったモンスがいるとは面白いな」
私は率直な感想を言った。
「まあたまにいますよ?それこそ高難易度とされているダンジョンなんかには。有利属性の魔法が得意であれば脅威ではないのですがその逆だった際にはかなり苦戦するのですよね。まあ今の私にとっては全属性がかなり扱えるので問題ないのですがね」
そういえばこいつもこいつでいかれているんだったな。
光とか闇の使えるのかな?
そう思った私は聞くことにした。
「全属性が使えるってことは光と闇も使えるのか?」
それを聞かれて羅刹は少しだけ肩をすくめた。
「結構痛いところをつきますね。まあ使えなくはないのですけどもかなり苦手な属性ですね。まあそもそものその二つが今では使い手がほとんどいないので仕方がないのですがね。いくら学ぼうとしても過去の記憶しかないのですから」
そう考えるとますます雪梛が謎めいてきたな。
多分気づいてるだろうが雪梛は光や闇といった高度な魔法か類似したものを習得しつつも他もできるのだからな。
まあそんなことを気にしても仕方がないので一旦は脱出しようか。
「まああらためてお疲れちゃんだな。一旦脱出してギルドに報告したら帰宅といこうか」
「ええ、そうですね。久々に楽しむことができましたよ。ありがとうございました」
そんなこんなで脱出して即座にギルドに向かって報告を済ませて亜空間の自宅に帰宅した。
帰宅すると二人はいつも通り飯を食っていたがすぐには風呂に入らないようだ。
「ナックル、そろそろいけそうか?」
「ガウ!」
二人は外に出てナックルの成長を確認しているようだ。
ナックルは息を思いっきり吸うと炎のブレスと共に放出した。
「面白いですね。そういえば貴方の殴りを伝授しなくていいのですか?」
「ふっふっふ、物事には順序ってもんがあるだろ。私の殴り技はまた別の機会だな。今回でようやく肩に乗るか自分で羽ばたいてついてきてくれそうになるな」
不思議なことに大きさ自体はあまり変わっていないようだ。
まあこれに関しては連れ歩きたいという破雪の思いから強制力を働かせているのだろうけどね。
そんな感じで確認を済ませた後二人はいつも通りのムーブを取ってから寝たようだ。
少々ここで解説を挟ませてもらうね。
毎度同じみの雪梛だよ。
今回は強制力について少し話すよ。
強制力というのは作者が持っているまあ一種の能力の一つだね。
内容としては物語を進める上で不都合なことを消せる力っていうのがわかりやすい説明かな。
一つ例を挙げるとすればまさにナックルの大きさが肩にのせたりできるってことだね。
本来であれば既に巨大になっていてもおかしくないんだけどそうすると一緒に行動できなくて結構困るでしょ?
そういったあまりにも効果があるものって感じではないけど補佐みたいな役割が果たせるものかな。
他には人を特定の場所に出現させたりとかだね。
じゃあ今回はこの辺で失礼するよ。
当分はこっちに来れないからここの描写パートのみの出演だね。
それでは翌日へどうぞ。
こんにちは雪梛です。
現在ストックが少しありましたので土曜も思い切って更新しちゃいました。
来週は私の進級をかけたバトルが現実で行われるのでその辺は別で説明させていただきます。
ではまた次回お会いしましょう!