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自論を展開してくぜ!

亜空間に戻ると二人は古龍の子供の観察を開始した。

見た感じは敵対していなさそうだ。

「こいつって何を食うんだろうな?」

「私の知識だと食べ物であれば基本食べるはずですよ。中でも生肉が好物だった気がしますね」

どうやら餌関連は困らなさそうだ。

破雪は頭を撫でてやった。

そうすると可愛らしい鳴き声を発してよってきているようだ。

「名前をつけてあげたらどうですか?きっと喜びますよ?」

破雪は少し考えてから宣言した。

「そうだな…お前の名前はナックルだ。よろしくな」

「がう!」

威勢よく返事を返してくれたようだ。

「随分と貴方らしい命名ですね。ナックルは当分どうするのですか?」

確かに連れて行くべきなのか悩ましいところだ。

「そんなの決まってんだろ?もちろん私の肩か頭の上で同行だ。成長というのは実戦を早い段階から見ておくことだからな」

考えているのだかよくわからない返事が帰ってきてしまったようだ。

その後は飯食って風呂入ってさっさと寝たようだ。

そしてここでまた失礼するよ。

そろそろ私としても破雪に会ってみたいからいま亜空間を開くための座標を検索しているんだけどいかんせんてんちょうい邪魔されているからね。

おっとこっちではてんちょうは干渉していないのか。

これは失礼したね。

てんちょうというのはまあめっちゃめんどいアホとでも思ってもらえれば差し支えないよ。

じゃあ今回はこの辺で。

もしかしたら次に会うのはこの世界でかもしれないけどね。




翌朝になり私たちはさっさとギルドへと向かっていった。

興味がなかったため忘れていたが一応古龍の調査報酬を受け取っていなかったようだ。

まあ急ぐほどのことでも無いためゆっくりと向かっていこうじゃ無いか。

現在私は昨日命名してあげたナックルを抱えて歩いているところだぞ。

流石にまだバランス感覚が慣れていなかったらしい。

そんなこんなで目的のギルドに到着だ。

入り口は何やら騒がしかったが特に気にせずに行くぞ。

中に入るといつもの受付の人に声をかけられた。

「あ、お待ちしておりましたよー。とりあえずきてくださーい」

どうやらちょっと話があるようだ。

「どうしたの?そんなに大きな声を出して」

「いやいや貴方たちは昨日かなりの大仕事をしたのにここによらず帰っていったじゃ無いですか。ところでその抱えている子はなんでしょうか?」

当然のように指摘されてしまった。

「ああ、こいつか。こいつはナックルっていって昨日殺した古龍の子供だ」

そう言った瞬間にギルド内の視線を浴びた。

どうやらあまり知られていなかったようだ。

「いや古龍を殺しているのもやばいですがしれっと古龍をペットにしちゃうところももはや貴方らしいとしか言いようがないですね。あ、報酬の方ですがどうしますか?何か口座のようなものがあればそこに入れられるようにできますが」

「お、そうだな。じゃあ番号を教えるからそこによろしくな」

ちなみにこのような展開を予想してあらかじめ作っておいた目的別口座なため不正利用されてもダメージゼロだ。

「分かりました。では今後の報酬もそこに入れさせていただきますのでよろしくお願いしますね。ちなみに一つ聞きたいのですがよろしいでしょうか?」

「もちろんいいぞ。なにせ私と貴方の仲じゃないか」

「貴方にとっての私と言う人物像がよくわかりませんね…古龍の対戦中に勇者と出合いませんでしたか?」

何か嫌な予感がするがまあ私と羅刹なら大抵の状況下は切り抜けられるので答えるとしよう。

「ああ、会ったぞ。邪魔をしてきたから古龍をぶっ殺すところ見せたら腰抜かして逃げてったぞ」

その瞬間にギルド内の雰囲気が一風変わった。

羅刹に一瞬視線を向けると少し面白そうに笑っていた。

つまりは大丈夫と言うことだ。

背後から三人の気配が近づいてきていた。

背後を晒しているのは少し癪なので振り向きながらも相手を予想した。

そして振り向いた瞬間に攻撃をされた。

刀を一振りしてきたが少し動きが甘い。

感覚で回避をしつつ残りの二人も気にしながら声をかけた。

「何をしにきたんだ?こんなところじゃなくて魔王の方に行ったらどうだ、勇者御一行よう」

私がそう言ってやった瞬間にギルド内がどよめきだした。

「いい感をしているじゃない。とりあえず外に出ましょうか」

編成内容を見た感じテンプレート通りの役職のようだ。

勇者、戦士、魔法使い、僧侶

まあなんとも面白味がない奴らだ。

私はナックルを羅刹に預けてから外へ出た。

あれ、なんかこんなことなかったっけ?

外に出ると既に相手は戦闘体制に入っていた。

「貴方ね。勇者のホラを吹いているのは」

どうやら現実を直視できないようだ。

そんな奴らしかパーティにはいないのかね。

「貴方がそう思うならそれでいいんじゃない。でその勇者サマのホラを吹いているとやらの私はどうすればいいのかな」

「そんなの…極刑よ!」

その瞬間にかなりの速度の火球が飛んできた。

もちろんこれはこれで相手のロマンなため私は避けはしないぞ。

右拳を引いて準備を整えて相手のロマンを穿つ!

パン!

弾けるかのような音を奏でて火球は消えた。

「ふーん、なかなかやるじゃない。でもここまでよ」

「言ってくれるじゃねえか。こいよ。お前のロマンよ」

相手は少し長めの詠唱を唱えていた。

その隙にぶっ殺すことは容易いが一応やめておいた。

「燃やせ!地獄の業火」

かなりでっかい火のエネルギーの塊が飛んでき始めた。

「羅刹」

「わかりました」

その瞬間に右拳がシールドによって包まれた。

「ロマンっていうのは、足し算じゃないんだぜ?」

私は思いっきり踏み込んでいつものあれをくりだした。

「ロマン砲」

特大火球は私のロマンによって発射した魔法使いに返された。

「え、ちょ、いやーーー!!!」

よし、ストレートが決まったぜ。

そう思った瞬間にまたアホが割り込んで切り裂いていた。

「ギリギリ間に合った。大丈夫か。そしてお前!何殺そうとしてくれてんだ!」

なんか状況判断できないアホがこちらに吠えてきているようだ。

「あれ、見てわかんなかったの?私がその子に殴りかかっているならともかくその子の火球が跳ね返っているだけじゃん。自分の技すら防げないなんてアホじゃないの?」

「飛ばすにしても方向ってもんがあるだろうが!死んでたらどうするつもりなんだ」

全く能天気なパーティにも程があるな。

ここは一発俺が言ってやるか。

「どうするも何もそれはそいつが弱かったってだけの話だろ?さっきからお前は何を言っているんだ?そいつは俺を殺そうとしてきた。殺そうとしてくるってことは殺される覚悟ぐらいしているってことだろ?何パーティを組んでいるからって、実力が他人よりも少しだけ勝っているからって調子に乗ってんだよ。お前だって今ここで俺が攻撃したらカウンターぐらいしてくるだろ?つまりはそう言うことだ。甘ったれた思考回路で死にゆく前に俺と戦えてよかったな。所詮は他人から少し持ち上げられただけのパーティだったみたいだな。私と羅刹の方がよっぽどその辺は理解しているぞ。自分の実力と相手の実力の把握から立ち振る舞いをな」

まあその辺は私も結構甘いんだけどね。

本来であればあのまま追撃を入れて確実な殺害を試みるべきだったのだからな。

「さっきから黙って聞いていれば…お前に俺たちも何がわかるんだよ!」

「そんなテンプレを叫ばないでくれよ。別にお前らのことに関しては興味なんざねえよ。だからそういうことを叫んじゃうような思考回路について言及しているんだ。別にお前たちが過酷な道を進んできたとか友情を育んできたとかはどうでもいいんだよ。せっかくだから一つ教えてやるよ。生物の特別視をやめろ。お前らだって魔物を攻撃している時に死んだらどうするんだとか言わないだろ?自分を特別視するな、人間という種族を特別視するな。所詮はただの一つの生命体だ。それこそ魔物と何が違うんだと言いたいが流石に少し面倒になってきた。分かったら突っかかってこないでくれよな。いくら私が暇と言えどもそこまでじゃないからな」

もう面倒なのでそのまま帰ろうとした。

しかしまあ学習能力のない奴だ。

私は背後からくる殺気を読み取って回避行動をしつつそのままの勢いを利用して投げ飛ばしてやった。

「くるなら全力でこいや!その一発で理解してやるよ!」

私は受けの構えを取ってから相手の動きを見はじめた。

刀を構えて詠唱を開始して炎系統の魔力を刀に付与、そしてそれを鞘に収めて構えてきた。

居合いか。

まあなんというかお前は最後までついていないな。

動き始めたが相手の動きが遅い。

いやあまりにも遅すぎる。

私は難なく回避をしてカウンターはせずに相手を見た。

「お前は最後までついていなかったな。既に数多ある世界の最速居合いを経験している私にそれを選択してくるなんてな」

そう言って私は羅刹と共に一旦町外れに退避した。

こんにちは雪梛です。

なんか今回は破雪が勇者パーティを嫌っているみたいになってしまいましたが実際はなんとも思っていません。

まあシンプルに他人に興味がそれほどないってのもありますがね…

ではまた次回お会いしましょう!

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