何してくれとんじゃーーー!!!
集団戦のセオリーみたいなのは独自のものなら持っているがそれをしてしまっては意味がない!
真っ向勝負。
そう、ロマンとロマンのぶつかり合いじゃーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!
私は一番近い相手に力強く握った拳を一撃打ち込んだ。
どうやら相手も遅れながら拳を出してくれたみたいだ。
しかし虚しく一瞬で吹き飛ばされて死んでしまった。
周りの生物を確認するとゴリラから蜘蛛など多種多様な生物が取り揃えてありよりどりみどりと言ったところだ。
最高な環境をありがとう。
これはもはや感謝感激雨霰霙雹雪降り積もるだ!
右からはゴリラの拳、左からはウサギの突進で前からは蜘蛛の糸がきて背後から蛇が噛みつこうとしており地中からはもぐらの気配がしてさらには空から鷹が狙ってきている。
もはや四面楚歌どころではないのだがそこが面白い。
多種多様な生物が確実な連携をとって自身の最高のロマンを私に当てようとしてきているのだ。
いつもなら死なない程度に軽減して攻撃を喰らうのだが今回は違う。
私は特訓のようなものをしに来たのだ!
なので私は足に力を入れてジャンプした瞬間に上空からきていた鷹にアッパーを入れる。
そして着地地点にはいっぱいいるので拳に力を溜めて身体を回転させて拳から突っ込んだ。
嫌な気配を感じたのか生物たちは回避していった。
ズドーン!
地面にちょっとした凹みができたがそんなことを気にしてる場合じゃない。
私は一番動きが速かったゴリラに対してロマンを一発叩き込んだ。
相手もきっちり合わせてきてくれたようだ。
力比べは集団戦だと自殺行為になりかねないためここはすぐに距離をとる。
その瞬間に背後から何かが来たがここは裏拳を使って吹き飛ばしておく。
今度はウサギの頭突きが来たが直線的だったため接近してきた瞬間にしたから力を加えてあげて体勢を崩させて対処した。
今度は蜘蛛がまた糸を飛ばしてきたのだが右に全力で移動して回避をしその直後にベクトル変更をして蜘蛛に接近していきロマンでたたいた。
そこで機をうかがっていたのかゴリラが出てきてしまったためここは潰すために準備をした。
「ロマンのためならなんでもかけられる。そうは思わないか?」
私は力の進行方向の最適化をして殴った。
「ロマン砲」
ゴリラを吹っ飛ばしてさらに何体か巻き込んで殺しながら蜘蛛にもロマンをぶつけて殺害。
返り血は気にせず背後から迫っていたウサギには回転運動を行って勢いをつけながらロマンで顔面の原型を破壊してやった。
地下から来ていたモグラに関しては思いっきり地面を蹴って多量の振動で気絶させた。
蛇は近づいてきたが噛みつきを回避して尻尾を思いっきり踏みつけてから足をグリッとしてやってちぎった。
今度は上空から滑空をしながら突っ込んできた鳥がいたが直線的な行動しかできないため難なく回避してすれ違いざまにまたロマンをぶつけた。
「おいお前ら!もっと気合いを入れてこいやーーー!!!」
想像よりも弱かったため思わず叫んでしまった。
そしたら答えてくれるかのようにリスポーン地点からでっかいドラゴンが出てきた。
「きたな…俺と勝負だ!」
流石にこのままでは部が悪かったため交代だ。
さあここからは俺がいくぜ!
まずはドラゴンが尻尾を振ってきたためなるべくほかのモンスターに当たるように誘導しながら回避だ。
そしてそれが当たらないなら火を吹いてくるはずなのでいい感じの位置どりをしておくぞ。
よし、予想通り来たからあらかじめ溜めておいた力で回避をしてそのままベクトル変更を行いなるべく流用させながらドラゴンの周りで撹乱だ。
狙えずに止まっているからここで圧縮の準備だな。
「この拳にっ、命をかけろっっっ!!!」
俺は急激にドラゴンに接近して接触した瞬間に圧縮されていた力を解放した。
今回はいつもよりもさらに出力を高めておいたぞ。
フューン
ものすごい勢いでドラゴンが吹っ飛んでいってしまったようだ。
一方の俺も腕への反動がやばく少し内出血を起こしているようだ。
「俺のロマンの勝利だな」
俺はそう言ってから羅刹がいる崖の上に登り始めた。
「よっと、今日はここまでだな。かなりいいぶつけ合いができたぜ」
「それはいいんですけど貴方が吹っ飛ばしたのは街の方角ですよ?」
どうやらやらかしたかもしれないようだ。
私は羅刹と共に急ぎめで街へと帰っていった。
「これは少しまずいかな?」
私たちは街の入り口まで来ると早々にドラゴンを見つけてしまった。
位置的には少しだけ城壁的なやつを破壊しているようで直接的な被害は少なかったようだ。
なんでも警備員に聞いたところ急にものすごい勢いでドラゴンが吹っ飛んできたとのことだ。
まあこんなところで嘘をついても仕方ないため正直に話してとりあえずギルドの受付の人を呼んだ。
まあなんで呼んだんだというとこの世界では倒した生物を持っていくと買い取ってくれたりしてくれるからだ。
私は金が欲しいわけじゃないが処理をしてくれるならやるしかない。
呼んでからものの5分ほどできてくれたようだ。
多忙なはずなのに少し申し訳ないな。
「お待たせしましたー。遠目から見えましたけどかなり大きいですね」
どうやらみるのが初めてではないのかあまり大層な驚かれ方はしなかったようだ。
「にしてもクエストが出ていないのにすごいですね。これも自慢のロマンで?」
「もちろんだよ。そういえばこういうのってどうやって処理してるんだ?」
一応気になったので聞くことにした。
「こういう大物はまずは肉と骨に切り分けてそこから可食部と不可食部に分けてから肉屋さんに提供やいろいろとしていますよ」
どうやら結構いいサイクルを回しているらしい。
まあどれぐらいの時間をかけて捌くかは知らないがな。
「そうなんだな。そういえばここから私たちはどうすればいいんだ?運んだりするなら手伝うけど」
「本当ですか。そしたらあちらの建物まで…」
そんな感じで手伝いをした後に私たちはギルドへと向かった。
「なんかいいクエストあるか?」
「これなんかどうですか?」
羅刹が一枚の紙を渡してくれた。
内容は古代龍の調査らしい。
なんでも山の中に特大の骨があってそれが解析したところ古代龍である可能性が出てきたのだ。
そんな古代龍とかいう絶対にかっけぇやつと戦わないわけにはいかないだろ!
「よし早速いくとしようか」
私たちは紙を持っていってさっさと目的地へと向かった。
道中で少々生物が騒がしかったのは多分今回の影響だな。
適当に移動していたらあっという間についてしまったようだ。
「一応この辺りから発見できる可能性がありそうですね。まあそこそこにいきましょうか」
二人は気配を消して移動を開始した。
移動すること5分程度。
何やら大きな洞窟のようなものを発見した。
「十中八九これですね。早速入りましょうか」
中に入っていくと存外涼しいようだ。
かなり暗い空間だがその辺は魔力で目を調整してやれば問題はない。
少し進むともう行き止まりについたようだ。
そしてそこにはちょうでっけぇ古龍と子供がいたようだ。
「はえー、いい場所住んでんな」
私がそんなこと言うとその声に気づいたのか古龍は辺りを探し始めた。
「完璧に気付けないなんて案外しょぼいですね」
まあ私たちの気配消しのスキルは並大抵のものではないと思うから仕方ないけどな。
実際意識して捉えないと羅刹の場所がわからねぇな。
「そろそろはじめますか?」
「いや、まずはこいつを外へ出してからだな。戦場にいた場合は私はそいつを相手とみなすがここは戦場じゃない」
羅刹は理解してくれたのか古龍にちょっかいをかけて気配を発して逃走を開始した。
「やっぱり最高だな。羅刹は」
「ふふ、まともに逃げないと死にますよ?ああ、貴方たちは確か死なないんでしたっけ?」
ここで説明をすべきことを言って欲しくはなかったが一旦スルーして羅刹を担いで一気に外へ出た。
「ありがとうございます。では私は隠れていますので思いっきりやってしまっていいですよ」
羅刹はそう言うと完全に気配を消してしまったようだ。
「どうなってるんだよ。私ですら見つけられないぞ」
一応結構修羅場は潜り抜けてきたのだがな。
おっとそんなことをしていると古龍が出てきてくれたようだ。
外見は黒くて先日戦ったドラゴンよりもさらに大きいな。
これでこそやり合いがいがあるってもんだぜ!
私は古龍が出てきた瞬間に足を圧縮してからバネにように突進して腹部に向けてロマンを放った。
ドシーン
少しよろめいたもののさほどダメージは入ってないようだ。
古龍はカウンターと言わんばかりに手で叩いてきたようだ。
こんなところじゃ踏ん張りが効かないためここは受けることにしよう。
相手の手が接触した瞬間に少しだけ力を入れて吹っ飛びやすくしつつ肉体の回転運動を発生させて威力をなるべく空気中に分散させながら吹っ飛んでいった。
木にぶつかる寸前に今までの勢いを利用してぶん殴ってダメージを最小限にした。
「お前のロマンを見せてみろーーー!!!」
古龍がどんなものなのかを見たい私はそう叫んでやった。
そしたら相手は腹を膨らませてから一気に火を吹いてきてくれた。
この温度、激アツだーー!!
触れたらまずいと思ったためロマン砲の準備をした。
そして放とうとした瞬間に別方向から気配を感じた。
「危ない!」
その人物は急に私の目の前に出てきて魔力による防壁を生成した。
それによって古龍のロマンは消されてしまった。
「何してくれてんのよーーーー!!!!」
思わずロマン砲を放とうとしてしまったがそこはギリギリ自制した。
「何って助けたんですけども…それよりも逃げた方がいいですよ」
相手の戦力の本質すらも見抜けないとは羅刹よりも弱いだろこいつ。
まあ羅刹は全然弱くないのだがな。
よく見たらなんか勇者とか言われている輩じゃないか。
このやろー、相手のロマンを安易と受けるなんていい度胸しているじゃないか。
古龍さんには悪いがここは一瞬でカタを付けさせてもらってこいつを殺す。
「どけそこのガキ。相手の戦力の本質すらも見抜けないとは。いいか、そこで見ておれ、みとれとれ。俺のロマンをな」
そう言って俺は右足と右手に力を圧縮させて準備を完了させた。
「この拳にっ、命をかけろーーーー!!!」
地面が変形するほどの力で踏み込んで古龍に接近してその勢いを拳に乗せながら接触した瞬間に最大出力で爆発させた。
ドカーーーーン!!!
我ながら最高なものだと思いながら吹っ飛んでいった古龍をみた。
「羅刹、俺と一緒にあいつと話をしようじゃなねぇか」
そう言った途端に羅刹が出てきてくれた。
「流石ですね。あの古龍ですら貴方の相手には足りませんか」
俺たちはなんかぽかんとしているアホに話をしにいった。
「おいお前、さっきなんて言ったっけな。俺のことを助けたってか。アホらしい。羅刹が助けに来てくれるならともかく実力や周りの状況判断ができないお前だったとはな。仮に…私があそこで逃げていたらどうしていたわけなのよ。貴方程度じゃ防戦のジリ貧になるってことがわからないわけ?そんなんで勇者とか仲間を殺したいの?バカなの?アホなの?死ぬの?本当にもっと考えて動いた方がいいよ。もし次私のことを邪魔したら…」
「す、すみませんでしたー」
走って逃げながら謝ってきた。
本当に殺してやろうかな。
「まあまあそのぐらいにしておきましょうか。それよりもあの子供はどうするのですか?」
そういえばあの古龍は子持ちだったな。
そしたらその処置も当然考えなければなるまいか。
「いっそ私たちで育てると言うのはどうでしょうか」
「名案だな。そうしようか」
と言うわけで私たちは子供を亜空間にぶち込んでから吹っ飛んでいった古龍を回収して街に戻っていった。
街に帰ると何やら騒がしい雰囲気を感じ取ることができた。
まあそんなことはどうでもいいので重くてしんどいこいつを引き取ってもらおうか。
今回はなんだかお偉いさんが来てしまうようなので受け答えは羅刹に頼んでおいた。
私が喋って礼儀足らずで追放されるのはごめんなのでね。
そんなことを考えていると早速出てきた。
「初めましてお二方。私はこの街の研究者の取りまとめ役を務めているものです。こちらが例の古龍で間違いないでしょうか」
「ええ、間違い無いですよ。正真正銘の最近いるのでは無いのかといわれていた古龍ですよ」
羅刹にそう言われたがお偉いさんはなんだか観察を開始した。
まあこれで嘘のブツを本当だとか言ったらやばいからしかたないものか。
「こちらは多分間違いないですね。この度はこのような貴重なものを提供していただき誠にありがとうございます。これにより更なる研究の進行が見込まれます。では私はこの辺で」
どうやらお礼を言ってくれたようだがなんだか事務的ではあったな。
きっと疲れているのだろうそうだろう。
適当にそう考えて私たちは亜空間に帰っていった。
こんにちは雪梛です。
最近忙しくなってしまったためまた不定期更新に戻させていただきます。
私ごとでコロコロ変わってしまい申し訳ないです…
しかし更新が全く途絶えて1ヶ月とかは無いはずと思いたいのでそこのところはご安心ください(?)
ではまた次回お会いしましょう!