ロマンとは拳の数だけある
「装備なしであれを倒しただって!」
「しかも圧勝だと!ぜひうちのパーティに入ってくれないか?」
まさに異世界に来た時のネタな反応が開始されてしまった。
もちろんパーティになどは入らない。
私はただ自由気ままにロマンを追い求めてぶつけ合いたいだけなのだからね。
そう思って全部断って一旦出ようとしたらなんか肩に手を置かれた。
「なあなあそう言わずにうちに来てくれないか?」
見るからに悪役そうな奴が来てしまった。
「だから言っているでしょ。どこにも入らないって」
そう言った瞬間に胸ぐらを掴まれた。
いやこの表現はよくないな。
胸ぐらを掴ませてあげたというのが正しいだろう。
「調子乗ってんじゃねえぞガキが」
「うるさいな。ロマンで飛ばすよ?」
殺気を放ちながら言ってあげたのに全く気づいていないようだ。
「なんだぁ?そのロマンってのは。テメェみてえなアホのことか?」
その瞬間にスイッチが切り替わった。
「外へ出ろ。私が負けたら入ってやる」
「へっ、そう来なくちゃ」
私の強さを見たいのかほとんどの人が外へ出て来た。
間合いをとって私は準備をした。
今回は遊びは一切なしだ。
「先手は譲ってやるぞ。こい」
相手の男は愚かすぎる選択をしてしまったようだ。
私は準備をしながら男に近づいて腹に拳を当てた。
「死んでくれるなよ」
「え?」
男は選択ミスを悟ったが時すでに遅しだ。
「この拳にっっ、命をかけろっっっ!!!」
「プレスボム」
肩から順に圧縮された力が一気に解放されて相手の装備を砕きながら吹き飛ばした。
男は遠くの方にあった空き家を破壊してようやく止まった。
「ロマンとは拳の数だけある。肝に銘じとけ!」
そう言って私はとりあえず亜空間を生成して内部に入って帰ってきた。
破雪は帰ってくるとすぐさまキッチンに向かった。
「やっぱりこれが一番うまいよな」
そんなことを言いながら鶏肉をとって胡椒を擦り込み焼き始めた。
いい感じに焼けて来たらそこに塩を少々ふりかけてあらかじめよそっておいた米の上にドーンとおいた。
炭酸水を持って来て颯爽と食べ始めた。
「バクバク…うめぇうめぇべらぼうにうめぇ」
すぐに完食して食器を洗い風呂入った後に寝た。
さてと。
破雪が寝たからここで失礼するよ。
どうも、マイゾーンを使う人だよ。
少々家が謎すぎたからここで解説を入れさせてもらうね。
破雪は作者のみが使える亜空間の中に家を建設して普段は外で過ごして寝たりするときだけこちらに戻って来ているよう。
家の内装は…まあ流石に常識的に触れられないので省略だね。
こんな感じでたまに私が解説をしたりもしかしたら世界に乱入するからよろしくね。
ちなみに今の私は最強を目指している一閃を使う私じゃなくてまた別世界の私だからよろしくね。
では次の日へどうぞ。
何か勝手に執筆されているけどこういうのは気にしたら負けだ。
まあ私の考え以外を自動描写させるのは確かに悪い案じゃないはずか?
これは要検討としておこう。
さてそんなことは置いておいて今日はクエストを受けに行こうかと思ったが一応魔王の戦力を見に行くとしよう。
まあ最悪死んでも問題ないだろう。
どの辺が大丈夫なのか自分でもわからないが亜空間を生成して昨日の世界へもどり早速魔王城を目指して歩き始めた。
その間にこの世界の概要から何からを読んでおくとしようか。
どうやらこの世界のでは安定の勇者が魔王を倒すために頑張っているらしい。
ちなみに勇者は魔の特攻を持っているからまだ見込みがあるそうだ。
こういう設定は悪くないねー。
それ以外の役職が戦おうとすると難易度が跳ね上がるらしい。
まあこんなのはどうでもいいんだ。
魔王の特性を見せてくれ。
お、あったあった。
なになに。
これを読んだ瞬間に私は歩みを止めた。
現状の勝利は不可だ。
これは戻るしかないな。
魔王の特性には打撃無効があったようだ。
許せん。
相手のロマンを踏み躙るようなスキルを嬉々として所有しているなんて本当に許せん。
どうにか倒せる方法はないだろうか。
そう思った私は狂信者の特性を確認した。
その瞬間に面白くなって来た。
どうやら経験を積みまくるとスキル破壊を取得できるらしい。
まあ相手の力量を大幅に上回らねければならないのだがな。
しかし希望は見えた。
要はロマンを求めて突っ走ればいいというわけだ。
そう考えた私は今日の予定を変更して早速ギルドに向かった。
こんにちは雪梛です。
なんだかナレーションの枠すら破雪が話している感じで私もなんか不思議な感覚で書いております。
ちなみに明日は更新があるか怪しいので、もしなかったらまあそういうことです。
ではまた次回お会いしましょう!