拳にはロマンが詰まってる!
突然失礼。
私の名前は破雪だ。
皆さんは拳にロマンを感じないかい?
感じない…だ…と…
まあ趣向はそれぞれだからな。
わたしは人にそれを強要したりしない。
ちなみに私は拳という名のロマンに全てをかけている少女だ。
趣味は拳に執筆活動だ。
こうして私の人生で起こったことを書き記したりしているぞ。
私は作者として色々な世界を見て来たが今回の世界は面白そうったらありゃしない。
そう思ったからには即行動だ。
早速亜空間という世界への入り口を生成して中にダーイブ。
シュタっと着地を決めると街の中に出たようだ。
あらかじめに読んでいた内容によるとどうやらこの世界には魔王というみんな大好きな悪役がいてそいつをぶっ殺すことが勝利条件らしい。
まあ詳しい内容は読んでないからわからないけどな。
私はとりあえずクエストが貼ってあるというギルドとやらにいくとするか。
そこそこ大きい店のようなやつがギルドだったらしい。
ガチャリと扉を開けて早速入場だー。
そうすると受付の人がこちらに話しかけて来たようだ。
「こんにちは。初めての方はこちらで手続きをお願いします」
そう言われては仕方がない。
ルールはきちんと守らないとな。
まあルール内でめちゃくちゃやるのだが。
「はいわかりました。何か書類を書けばいいのですか?」
「そうですね。こちらの同意書にサインをしていただいてそこから役職を決める感じです」
渡された同意書を見ると内容が面白すぎたようだ。
どうやら一行のみで書いてある内容は“死んだら自己責任な“とだけだ。
「はいサインできました。役職とはなんなんですか?」
「役職というのはまあわかりやすく仕分けているだけですけど剣士、戦士、魔法使いなどなどの大まかなくくりですね」
なるほどと思いながら流し見をしていたら一つの項目に目が止まったんだ。
「この狂信者ってなんですか?」
まあ一つだけ異様だったからな。
「あーそちらはですね、何か人生の全てをかけているものやそれほどまでに熱烈なものを持っている人の役職ですよ。近年ではもうずっと見かけませんね」
「それにします」
「え?」
この説明を聞いてこれ以外の役職を取れる奴がいるのだろうか。いやない!(反語)
「よ、よろしいのですか?多分どのパーティにも入れませんけど」
「そんなものは入らないよ。私はこの拳というロマンに命をかけているからね。じゃあほか書いとくからよろしくね」
そう言ってから爆速で書類をしかし完全に読みながら記入していった。
「これでいいですか?」
「はい。問題ありません。ではこちらのカードをお持ちください」
そう言われては渡されたのはめっちゃ硬いクレジットカードのようなものだった。
「そちらのカードは貴方が一人の冒険者である証でデータなどが自動的に書き込まれていきます。くれぐれも無くさないようにお願いしますね。あとクエストに受け方ですがあちらのボードから早い者勝ちでこちらに持って来てくださいね。では良い冒険ライフを」
そう言われてようやく面倒な手続きからの解放だ。
とりあえずカードはポケットのしまって早速ボードを見るとしよう。
ボードには様々な種類のクエストがあっただよ。
中でも私にはひとつが目についた。
クエストの内容は魔法により興奮状態にされてしまった身長5mほどのゴリラを討伐してほしいとのことだ。
もちろん報酬などはどうでもいい。
早速その貼り紙をとってさっきの受付の人のところに持っていった。
「このクエストの受注お願いしまーす」
「はーいって初クエストがこれですか⁉︎少々考えた方がよろしいかと」
「大丈夫だって。この拳がこんな序盤で負けることはないからね」
受付が渋っているから人が集まってきてしまったようだ。
どうやら人を見た目で判断しているらしい。
結局受付を押し切って受注させて早速目的の場所へと向かった。
ランニングをしていけばちょうど体があったまるからな。
走って走ってようやくついた。
「これは面白そうだ」
森に着くと木々がいくつも薙ぎ倒されていた。
倒れている木を目印にどんどん進んでいくと姿が見えた。
「たたかいに来たぜー。私とお前のロマンをぶつけ合おうか」
ゴリラにそう呼びかけるとこちらに反応して急接近して来た。
拳が来る。
そう思った私はここはロマンをぶつけねば無作法と思いきっちり踏み込んで拳の予測到達地点へと放った。
ズドーン
ぶつかった瞬間にそんな重い音が鳴り響いて力比べが始まった。
私は力の流れの方向の最適化をしてパワーをアップさせてゴリラを押して体勢を崩した。
「くらえロマン砲っっ!!」
叫びながら少しだけ力を圧縮して触れた瞬間に放出した。
ボーーン
ゴリラの腹部に私のロマンがブッ刺さってから吹っ飛んでいった。
木を何本かへし折ってようやく地面に着地したようだ。
そしてその瞬間にものすごい速度でこちらに飛ぶように接近して来た。
私のロマンをぶつけたのだから相手のももらうのがどおりというものだ。
そう思って最低限の防御のみをして時を待った。
そして私の身体に重い一撃が入って吹っ飛んでいった。
吹っ飛びながらも私は考えていた。
やはりロマンというものはぶつけ合うものだと。
わざわざくらったのにしてはダメージが大きかったがそれよりも歓喜の方が大きかった。
「お前のロマンはしかと受け取ったぞ。しかしこの勝負、私の勝ちだ!」
私は前に別世界で物語を書いているマイゾーンを使う少女から教わった技を構えた。
腕を肩からまっすぐにしてそして肩に力を溜め始めた。
ゴリラはこちらに接近して来て再度殴ろうとして来ていた。
準備を完了させた私はゴリラにこう叫んでやった。
「この拳にっ、命をかけろっっ!!!」
そして拳が接近して触れた瞬間に私は技を開始した。
肩から肘へと圧縮、そして圧縮してできた隙間にさらに力を入れて今度は手首に圧縮、最後の手首が完了した瞬間に拳が爆発するかのような力が発生した。
「プレスボム」
ゴリラは瞬く間吹っ飛んでいって遠くの方でぶっ倒れた。
一歩の私は拳の激痛と痺れを感じながらも最高の表情を浮かべながら叫んだ。
「お前のロマンも最高だったぜー!」
そうして帰ろうとしていたらなんか気配を感じたんだ。
その瞬間に一人の男が出て来たけど周りには二十人程度はいたかな。
「何しに来たの?」
「お前を殺しにきた」
わけがわからんとは言わないけどどうやら相手は剣士と弓使いらしい。
弓使いは良くないよな。
なにせ自身の手を、拳を使わずに戦闘しているのだからな。
私はロマンのぶつかり合いをしたかったため今回は弓使いを瞬殺することにした。
弓使いは見た感じ5、6人だったためその人数分石を拾って即座に脳天目掛けてぶん投げた。
その瞬間に弓使いは全員ぶっ倒れていった。
「これで準備完了だな。さあお前らのロマンを見せてくれ。なに道具越しでもかまわない。ロマンは寛大だからな」
そう言った瞬間に相手は全員逃げていってしまった。
「どこいくんだー!私のロマンをくらってけー!」
そうは言ったものの追いかけるのも馬鹿馬鹿しいので私はとりあえずクエスト達成を報告しに向かっていった。
戻って報告をするとギルド内で大層驚かれてしまった。
こんにちは作者の雪梛です。
ここで作者というとなんだか破雪が作者の物語じゃ無いみたいですがまあ気にしないでください。
これからはこんな感じのの小説を展開していきますのでよろしくお願いします。
ではまた次回お会いしましょう!