表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/67

驚きの発言

 どうもシファニーです! なんか最近どんどん更新が遅く……。で、でもしてます!

 愛可の驚きの発言は、しかし思い返してみれば何ら不思議なことは無かった。

 出会った当日、そう言われていたのだから。


 それをすっかり失念していた俺は、バッチリ驚いてしまったわけだが。


「Hoh? 忘れたデス?」

「……思い出した」

「Oh! 良かったデス! なので、ごめんデス!」


 なんて愛可は嬉しそうに笑っているが、俺にしてみればそれどころではなかった。

 クラスの上位カースト連中に、俺と愛可がデートをするらしいと広まった。この事から連想される嫌な未来は無数に存在する。俺が金で愛可を買ったんじゃないかとか、家族を人質に取ったんじゃないかとか、弱みを握ってるんじゃないかとか。どんだけ俺はろくでもないやつだと思われてんだよ。

 ……あ、ただの被害妄想だったわ。


「デートって、お前ら、付き合ってるのか? おいおい、冗談だろ?」


 どこか引きつった笑みを浮かべて博人は言う。付き合っていたら冗談とか失礼なやつだ。まあ付き合ってはいないのだが。


「Hoh? デートは付き合ってからしかしないんデス?」

「は? いやまあ、そりゃ……」

「そうなんデス?」


 愛可がこちらを向いてくる。

 しかしなるほど、博人はアメリカの文化には詳しくないらしい。いや俺もニワカもいいところなんだけど。

 アメリカではお試し感覚でデートすることが多いらしいから、確かに日本の常識とは違っているかもしれない。


 普段賢いやつに知識で勝つとこんなにも清々しい気持ちなんだな。

 俺は今、先程までの動揺や混乱などどこへやら。爽やかな気持ちになっていた。失礼なやつだし、心の中で笑うくらいは良いだろう。


「日本ではそうだな。でもアメリカではそうじゃないんだろ? まあ知らなくたって仕方ないよな、文化の違いだし」

「Yes。アメリカでは、Loverじゃなくてもデートするデス」

「へ、へぇ、そうなんだな……で、でも、気になるからとか、なんだろ?」

「Mmmm~、まあ、そうデス?」

「ってことは愛可、まさかこいつに気があるのか?」


 とうとうこいつ呼びしやがった。名前は覚えられていなかったみたいだから分からなくはないが、悪意が込められていたような気がする。

 しかしカースト上位も本当の顔は厭味ったらしいお子様だったか。なんでも真っすぐ頑張るやつだと思っていたが、この評価は考え直した方が良さそうだ。


 しかし、その言葉は鋭い。こういう時、なんと返していいのか俺には答えが分からない。こういう聞かれ方をすると、何と聞かれても揶揄われる原因になって――


「あったらいけないデス?」

「「……え?」」


 俺と博人の声が重なった。


「ワタシが誰に興味あってもあなたには関係ないはずデス」

「え、いや、そりゃそうだけど……お、俺の方がよくないか? ほら、勉強もできるし運動だって――」

「どうでもいいデス」

「っ!?!?!?」


 どうやら愛可の発言が相当効いたらしい。博人は驚きの表情を浮かべて固まり、動けなくなっていた。

 まったく予想外だったのか、その驚き要は思わず笑ってしまいそうなほどだ。


 もう、誰にどう思われるとかどうでもよくなってきてしまった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ