反抗期
何の為に勉強するんだろう?
中学に入学した真由美は緊張していた。
「おはよう」
と挨拶して教室にはいる。
返ってきた挨拶に驚く
「ごきげんよう」
都会の中学生の挨拶はごきげんようなのかと洗練を受けた感じだった。
小学生の時と違うのは、中間、期末とテストがあって順位がつくことだ。田舎から越してきた真由美は必死で勉強した。成績は悪い方ではなかった。夜起きているのも苦痛ではなかった。家族が寝た後にテレビやラジオを聞きながら勉強していた。
「ながら勉強は止めなさい」
と母に言われたが
「眠くなるから」と音を小さくして続けていた。
1年の三学期に家を建てたのをきっかけにまた転校した。転校にはエネルギーを使う。新しい友達と先生の中に入っていくのは子供なりに気を使うのだ。
担任は英語の教師で今までの勉強とかなり違った。
毎日授業の始めにラジオ英会話を流す。そして質問があり、英語で答えるというやり方だ。今までやったことがなかったので英文が聞き取れずに苦労した。しかし、今考えると英語に耳を慣らすのには最適な気がする。違った国の言葉を理解するにはまず、聞くこと、話すこと、そして文法。
昭和の日本の英語教育は順番が逆でつまらない文法からスタートする。これが英語を何年学んでも話せない日本人を作っているような気がしてならない。どっぷりと日本語だけに使っている頭を柔軟にするには年齢が低い方が良い気がした。
そんな真由美も成績が下がってくると
「女は段々と伸びなくなるんだよ」
と父に言われた事がある。何故そんな事を言うのか理解に苦しんだか、実際少しずつ成績が下がってくると落ち込んだ。友達は毎日塾に行っている。真由美は夏休みや冬休みの間行かせて貰った。模試の順位が出るとガッカリしてふて寝した。
ある日こんな作文を書いていた。
「大きくなったら誰もいない無人島で暮らしたい。」
すぐに父から呼び出された。
「人は一人では行きられないんだよ。皆で力を合わせて社会が成り立っているんだよ」
等と教育者らしい説教をされた。しかし何故真由美がそんな気持ちになっているのか、寄り添ってはくれなかった。
その時の真由美は全てに反抗したかったのだ。順位をつける社会、高校のランク付け、偏差値、頭が良くなきゃ成りたい自分になれないのか?
全てが嫌になっての反抗だった。しかし親とやり合っても養って貰ってる以上、素直にわかったと返事をした。
でも、本当はこう言いたかった。
「この世の中何かがおかしい。苦しい思いをして生きている子供を救ってほしい」




