8章 今、作戦が動き出す
今日は作戦決行の日。宿で全員の武運を祈り、各自持ち場について、作戦の開始を待った。開始の合図は―――
情報室の前にいる兵士が庭へ移動した。『摸写』が暴動を起こしたのだ。『蟲』のメンバーは分身を作ることができる。ちなみにその分身も分身を作れる。いうなれば無限マトリョーシカみたいな。
きっと今頃、『偽装』が『後戸』を作っていることだろう。急いで行動に出なければ。
私たちは情報室の扉にラ○ダーキックをして蹴り破り、大切な情報を抜き取った。『文件』のふたりが次々に情報をいじっていく。私は個人情報や、セキュリティーパスワードなど。目に見えるものはすべて奪っていく。『文件』も次々に破壊と複製をしていく。引き出しを全部引き、重要そうなものにはペンキをぶちまける。どうせなら、とちょっと恥ずかしい情報も抜き取ってみた。これは、愛する人に向けた愛のポエム。これも。これも。どんだけ好きなんだよ。これは…出納帳かな?うわっ…マスターの年収、低すぎ…?
あらかた情報を回収し終えたので、いそいで脱出した。見ると、『蟲』の暴動が陽動であったことを理解した頭のいい兵士がこちらに向かってきている。全力で兵士と向かい合うように走り出し、手が届くぎりぎりの距離になった瞬間に足に思いきり力を入れ、兵士を飛び越えた。こちらに目を奪われたすきをついて、『文件』が兵士を攻撃する。その結果、兵士は、人ではない何かになった。『文件』の攻撃はこうだからほんと怖い。




