表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/24

第16話 内政パート


 俺は商業国家テスマンを征服した。

 さて、ここからはテスマンの内政を改革していこう。

 俺が新しい領主となったからには、テスマンの連中には今まで通りと思ってもらっては困る。

 なにせ、俺は悪逆非道の魔王様なのだからな。

 テスマンの連中を震え上がらせ、反逆できないほどに苦しめてやろう。


「よし、まずは税金だ……!」


 今までのフリンク村などでは、領地の規模が小さかったから、税制度などはなかった。

 フリンク村では一斉に鉱山で働かせるなどで対処してきた。

 だがテスマンは小さいとはいえ、立派な国だ。

 国規模で一斉に仕事を斡旋したりはちょっとできない。

 この国だと、みんなもともとの仕事や経済があるしな。

 今回は今までのとは違って、ちゃんとした内政が必要になってくる。


 そこで、税金だ。

 国のみんなから税金を集めて、それで国家を運営していこう。

 以前の税制がどうかは知らないが、ここは俺流でいかせてもらおう。

 魔王領の税金は、収入の1割だったからな。

 だからといってここも1割だと、舐められてしまう。

 よし。


「くっくっく、今日からこの国の税金は収入の3割だ……!」


 さすがに3割はとりすぎかとも思うが、このくらいはな。

 俺が城の上からそう国民に宣言すると、国民たちはシーンとなった。

 うん……?さすがにやりすぎだったか……。


「ま、まあそうだな……。よし、子供のいる世帯は2割に減税だ……! これでどうだ……!」


 俺がそういうと、こんどはまばらながら拍手が起こった。

 よし、これでいいだろう。人口は国にとって大事な指標だからな。

 少子化対策のためにも、子供のいる世帯に負担をかけるのはよくないからな。


 さて、俺の改革はまだまだこれからだ。

 この国は、商業によって栄えている国だときく。

 城の外観や、街のようすをみても、さぞ儲かっているのだろう。

 カジノなんかもあるし、おそらく国民も富裕層が多いはずだ。

 だから、俺は考えた。


 テスマンの国民を、魔王領に観光客として呼びこんで、お金を落としてもらおう!

 そうすればテスマンの国民はハッピーになるし、魔王領の経済は活性化。

 いいことずくめだ。

 我ながら天才的なアイデアだ……!

 俺はこの作戦を、「GO TO 魔界」と名付けて、大々的にキャンペーンをうつことにした。

 魔王領への旅費の15パーセントをクーポンを発行して、免除するというものだ。

 これで、魔王領へみんな旅行にきてくれればいいんだがな……。


「よし、明日から『GO TO 魔界』キャンペーンを開始するぞ! 旅費の15パーセントはクーポンで!」


 俺が国民にそういうと、国民たちは頭にはてなを浮かべていた。

 国民の一人から、質問が出る。


「あの……国から出るのにお金はいらないのでしょうか……?」

「は……? もちろんだが……?」

「そ、そうですか……。ありがとうございます」


 おかしなことをきくやつもいたもんだ。

 なんで自分の国から出るのにお金がいるんだよ。

 しかもお礼まで言われたし……。

 どうやらこの国の人たちも、戦争で負けてどうかしてしまったらしい。

 かわいそうに……。


「あ、あの……では、他の領地への移住はどうなるのでしょうか……? 旅先の土地が気に入ったら、そこに移住しても構わないですか……?」


 国民の一人が、そんなことをきいてくる。


「あーうん、まあもちろん、魔王領の中なら好きに移住してもらってもいいけど。まあ、あまりにも人材の流出が多すぎると困るが……」

「そうですか……! ありがとうございます」


 どうやらこの国があまり気に入っていないやつもいるようだ。

 だが、移住くらいでいちいち聞いてくるなんて、おかしな連中だ。

 そんなもの、住むところくらい好きにすればいいのに……。

 もしかしたら、真面目な国民性なのかな。

 まあ、商人の国だっていうし、きっと真面目な人が多いのだろう。

 

 それから、俺は街の市場を探索してみた。

 すると、やけに物価が高いことに気が付いた。


「ん……? なんでこれがこんな値段するんだ……?」

「これは、消費税が含まれていますので、この値段です……」

「いやいや、そんなの高すぎるだろう……」


 どうやらこの国は消費税が高すぎるらしい。

 だけど、収入から3割も税金をとっているからなぁ。

 消費税まで高くする必要はないだろう。

 ということで、俺はこの国の消費税を5パーセントまで下げる法律を出した。


「よし、今日から消費税は5パーセントだ……!」

「おお……! それはありがたいです……!」


 国民たちも、これには素直に喜んでくれた。

 てかなんでそもそもこの国の消費税そんなに高かったんだ……?

 あ、もしかしてあれかな。

 カジノの運営とかにあててたのかな。

 カジノの運営、金かかりそうだもんな……。


 あと、この国は異様に学費が高かった。

 俺は国の資料などをみて、度肝を抜かれた。


「なんだこりゃ……!? この国の学費は、高すぎる……!」


 ということで、学費は免除にして、国で払うことにした。

 幸い、国庫には大量の金があったからな。

 それに、税金も十分にもらっている。

 まったく、デルモンはこんなに金をためてなにに使うつもりだったんだ……?


 学費を免除したのにはもちろん理由がある。

 やはり国の将来を考えると、教育は重要だ。

 それに、国を乗っ取るにはまずは教育からというだろう。

 各学校に国から多額の協力金を出す。

 そして、学校で魔王軍のすばらしさを子供のうちから教育するのだ。

 これで将来的に従順な国民を作るという寸法だ。


 それから、この国の統治はサキュバスのアリナに任せることにした。

 アリナは催淫と催眠が得意なサキュバスのリーダーだ。

 彼女に任せておけば、反乱の心配も薄い。

 国民全体に薄っすら催眠をかけることで、みなの反逆の意思をあらかじめ封じておくのだ!

 

 さて、これで内政はいいだろう。

 テスマンも落ち着いたことだし、俺はまた新しい領地を征服しにいくかな。


お読みいただき、ありがとうございました!


少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけたら、

『ブックマーク』と広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけると幸いです!


評価ボタンは、モチベーションに繋がりますので、何卒応援よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 日本より魔王国の方が税が安じゃないか! 最高かw 所得税、消費税、市県民税、ガソリン税、タバコ税、酒税、国民年金、健康保険、介護保険、相続・贈与税、後期高齢者医療保険税、車税、学費まで、パ…
[一言] 「おかしなことをきくやつもいたもんだ。」 天丼、天丼ですぞ魔王様。村で同じようなことやりましたぞ。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ