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「実は、黙ってて、その、すみません」


「謝ることないよ。うちの悠太かっこいいもん。誰が好きになってもおかしくないと思う。姉バカかな?」


「そんなことないですよ。悠太くんが人の為に一生懸命な姿に私も惚れちゃったんですから〜」


 友人同士、2人はクスクスと笑い合う。


「でも、厄介な強敵だね」


 チラと麗奈に視線を送り、菜月が言った。


「麗奈さんだけじゃないですよ〜。1番厄介なのは麗奈さんだけですけど。というより私なんて悠太くんより6歳も年上だから相手にされませんよ」


「そう?沙織のこれで誘惑すれば1発だと思うんだけど、あの子うぶだし」


 菜月は沙織のたわわに実った胸を、持ち上げながらニヒルに笑った。


「な、何するんですかーっ」

 それに対し、沙織は小さく叫び返事をした。


「色々な武器を持ってるくせに自信なさげだからね」


「だって〜葉月さんって貧乳だったんですよね?」


 貧乳。という言葉に一瞬麗奈の視線を感じた気がしたが、沙織は麗奈の視線を無視して菜月に目を向けた。


「私は大きいよ」

 

 彼が過去、口にした「姉ちゃん達が好きだった」という言葉が恋愛に置ける好きだったなら、弟は胸の大小にこだわりはしないだろう。と菜月は捉えた。


「でもでも〜麗奈さんって葉月さんに雰囲気もそっくりなんですよね?」


「悠太は葉月ちゃんに重ねて誰かを好きになったりしないよ」


「そもそもなんで私をけしかけてくるんですか〜?」


 悠太と麗奈が相思相愛なのは、誰の目から見ても明らかで、沙織は二人の関係性を尊いとまで思っている。

 沙織が気付いているのに、2人と暮らしている菜月が、知らないなんて事はありえないのだ。

 ブラコンの菜月なら尚更。


 問い掛けられた菜月は、顔の前で人差し指を立て、弟がイタズラをする時の笑顔を作り


「……内緒っ」


 と言った。


「私に色々聞いてきたのに、内緒だなんてずるいですよ〜」


「ズルいからね。私は」


 ぶーぶー文句を言う沙織に、灯の魔の手が迫るまで、菜月は適当な言葉で、かわし続けた。


 

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