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夏の麦酒

「ぷはーーー!!! うまーーーい!!!」

 仕事から帰った母がコップを一気に空けて歓声を上げた。すぐに二杯目を入れて同じように煽る。

「はーーーー、生き返った~~~」

「声だけだとビールみたいなんだけどなあ?」

 そう、母が飲んでいるのはただの麦茶だ。母はアルコールが苦手だかなんだかで、酒類を飲まない。なんならウィスキーボンボンなんかも食べない。父曰く、以前食べたら全身真っ赤になったから……だそうだ。

 ついでにうちは父も家では飲まないので家の中にある酒の類いは調理酒くらいだ。あと一応、母の秘蔵の白ワインもあるらしいけど見たことはない。

「暑い最中から帰ってきたらさ、ビールとか飲みたくなるんじゃないの?」

「うーん。お酒が好きな人ならそうなんだろうけど……。私、お酒弱いからビール一気飲みとかしたら吐いちゃうわ」

 と母は言う。現に社会人になったばかりの頃、コップに半分ビールを飲んだらその後飲み会が終わるまで吐き続けたそうだ。だからビールは飲みたくないと。

「父さんもあんまり飲まないよね」

「そうね。飲めないわけではないようだけど、そこまで好きってわけでもないから」

 じゃあ私はどうだろうか。私も母さんに似て弱い? それとも父さんに似て飲めるけどすきじゃない?

「まあ、二十歳になって、少しずつ飲んで確認するしかないわね。飲み方なんてのは人それぞれだもの。飲めなくても、ちゃんと断り方や躱し方を知っていればいいのよ」

 母はそう笑ってシャワーを浴びに行った。残された私は母が出しっぱなしにした麦茶を飲む。まあ、普通においしい。母がこだわって、割と良い値段の物を購入しているらしい麦茶は、その辺のコンビニやなんかで買うよりずっとおいしい。

「確かに、麦茶がこれだけおいしければ、わざわざビールを飲む必要も無い……のかなあ?」

 大人の気持ちなんてわからないけど。背伸びをしたい年頃なので、考えてみちゃったりするのだ。わかんないけど!!

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