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スイカの種

 三時のおやつを食べようとリビングに行くと母がスイカを切っていた。

「おやつ?」

「そう。昨日お父さんが買ってきたのよ」

 自分の席に着くと目の前にスイカを出された。なんかやけに大きいなあ。

「大きくない?」

「スイカね、あともう一玉あるの。私も昨日買って来ちゃって」

 ああなるほど。しかもよく考えたら母はスイカがあまり好きではなかったはずだ。だからこうしてタイミング良く現れた娘にがっつり食べさせておこうという腹なのだ。

 せっせとスプーンで種を除ける。これ、植えたら芽が出てきたりするのだろうか。片面全て種を取って、反対側も。よし、食べよう。

「おいしい?」

「うん。甘いよ」

「なら良かったわ。スイカって見た目で味がわからないから結構博打なのよね」

 安心したように言う母だけど、当然のように自分は食べていない。

「母さんも少しは食べなよ」

「嫌よ。好きじゃないもの」

「好き嫌い良くない」

「出されたら黙って食べますけど、自分で食べるほど好きじゃないわ」

 屁理屈だ。でも自分が提供する側なのに、わざわざ嫌いな物を食べたくないのは、もちろんなんだけど……納得がいかない。

「父さんが買ってきてくれたんでしょ」

「ええ。子供達のおやつにってね。私には水羊羹を買ってきてくれました」

「ずるい~」

「ずるくない~。そういう旦那を見つけなさい」

 どうにもこうにも、母には口で敵わないようで。大人しくスイカの残りを食べることにする。まあ、おいしいからいいんですけど!!

 食べ終えると、母がもう一皿スイカを出してきた。ついに自分で食べる気になったのかと思ったら違うらしく、スッと渡してきた。

「もういらないけど」

「そこまで無慈悲じゃないわよ。妹に持って行って」

「はーい。でもこれ私のよりさらに大きくない? 一玉の三分の一くらいない?」

「切れ目を入れてあるから大丈夫」

「そういうことじゃないけど。私が食べるんじゃないからいいか」

 しかし、その見込みは甘かった。妹に渡したら泣きつかれて結局食べるのを手伝ってしまった。なのにまだ一玉あるんだよなあ……。

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