冷やし中華始めます?
彼が数日後にまたこの国にいらっしゃるという。
「殿方にはどのような女性が好まれるのかしら」
ということをそもそも誰に問えば良いのかもわからない。
我が女王国では女性が基本的に強い。そして母上や姉君などは大体政略結婚をしているため、身近に恋愛結婚をしている人がいない。……一体どうしたら?
悩んだ末に、母上にお仕えする魔女様に聞きに行くことにした。
「殿方を? 惚れ薬をご用意しましょうか」
「そういうことではありません。正々堂々、わたくしの魅力をお伝えしたいのです」
「なかなか難しいですねえ」
魔女様は困ったような顔をする。と、魔女様の陰から弟子をされている少年が顔を出した。
「何故難しいのですか? 末姫様はこんなにも魅力的でいらっしゃいますのに」
「いや、そういう意味じゃ無くてね。先方もこちらも王族だから、好いた惚れたで気軽にお付き合いできませんねってことよ」
うう。それを言われてしまうと、どうしようもない。他国間での恋愛結婚……それも王族が、だなんて簡単ではない。それは解っている……つもり……なんだけどなー……。
「じゃあ政略結婚であれば良いのでしょうか」
「?」
弟子の言葉に、魔女様もわたくしも首をかしげてしまう。
「末姫様と先方の王子様のご結婚が両国間でメリットがあれば、いいのでしょう」
「なるほど」
天才でしょうか? しかしわたくしを娶ることによる先方のメリットとは……?
「なんでしょうか。……あ、おいしいトルタでしたら毎日ご提供しますわ」
「殿方はお菓子はあまり好まないのでは……」
む、難しいですわ。そもそもわたくし、自身の魅力についてだなんて考えたことがありませんでした。それがいけなかった? わたくしは女王国の末姫様である。それ以上でもそれ以下でもない。そのことに満足してしまっていた。
「お時間取らせました。すみません。あとは自分で考えます」
「あまり考え込まずに。悩みすぎても良くありませんよ。どうしようもなくなったら、足を先に動かしてもいいでしょう」
魔女様は意味深なことを仰る。足を先に動かす? ゆっくり考えながら魔女様の移居を去る。




