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頭キーン

「あー、つべたい」

 頭が冷えてキーンとする。それでも目の前のかき氷がおいしくて、ついついかき込んでしまう。

 ここは友達の家で、お邪魔したら友達……りんちゃんのお母さんがかき氷を出してくれた。家でも全然食べるけど、暑い中歩いて汗だくだから、いつもよりずっとおいしい気がする。

「すずちゃん大丈夫? お茶あるよ」

 向かいの席で、やはりかき氷を食べるりんちゃんが温かいお茶を勧めてくれた。ありがたく受け取って口の中を温める。

「そんなに急いで食べなくても」

「外が暑かったから、つい急いじゃった」

 りんちゃんはニコニコしながらこちらを見ている。そしてゆっくり、ゆっくり口にかき氷を運んでいた。私と違って、かき込んだりしないし、所作が丁寧で静かで。同い年の女の子とは思えないくらい、りんちゃんはお淑やかで、本に出てくる『お嬢様』ってこんな感じなんだろうなあ、と思わせるくらいだ。

 私は絶対に同じようになれないけど、でも、少しだけ。りんちゃんを真似てかき氷をゆっくりと口に運ぶ。甘い氷の粒が舌の上で溶けて、先程より穏やかに体を冷やした。

「なんか寒くなって来ちゃった。すずちゃんは大丈夫?」

「確かに、ちょっと汗が冷えてきたかも」

 そう答えると、りんちゃんは「じゃあ」と立ち上がってソファに私を誘導する。かき氷の器を持ったまま二人で並んで座った。そしてりんちゃんが背もたれに掛けてあった膝掛けを二人の膝の上にかける。

「どうかな」

「ありがとう。温かいね」

 りんちゃんは微笑んで、ぴったりと私に体を寄せた。互いの膝や手が触れる。りんちゃんの手は細くて白くて、なにより冷たい。

「りんちゃん、手、冷たいね。大丈夫?」

 そう言って握ると、彼女は少し目を丸くしてから、はにかんだ。

「すずちゃんの手、暖かいな」

「汗かいてたらごめんね」

「ううん。嬉しい」

 そう言って目を伏せるりんちゃんは、本当に綺麗だ。色が白く、まつげが長い。唇は赤いのに、それ以外がすごく白いからとても儚く見える。油断したら消えそうで、私は彼女の手を強く握りしめた。

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