決めた、家帰ったら冷水シャワー
夜でも暑い夏休み。塾帰りの私は汗だらだらで駅から家まで歩いている。こういうとき、家庭教師を頼んで家で勉強している双子の姉妹がうらやましい。この暑い中を歩かなくて良くて、ずっと涼しい家の中で過ごせるのだ。
もちろん善し悪しはある。高校三年生ともなれば、それくらいはわかる。家だとだらだらしちゃうし、ずっと集中して勉強なんてできない。というか少なくとも私には出来ない。だから私は塾で勉強することにしたのだ。
塾は塾で、別にそんな厳しい進学塾って程ではないから、そこそこ友達も出来たし、友達以上恋人未満……の彼も同じ塾なので、楽しく通っている。だからそこに不満はない。不満があるのはこの暑さと湿度だけだ。
「あづいー」
早く帰ってシャワー浴びてすっきりしたい。その後たぶん母さんか姉妹かが夜食出してくれる。何かなあ。日によるけど、たまに姉妹の方が夜食がおいしいときがある。双子だから食べたいものがわかるのだろうか。同い年だから食べたいものの傾向が近いだけかもだけど。
「今日は何だろうなー。冷や汁がいいな」
家まであと少し。頑張れ私。
「ただいま」
「おかえりー」
真っ先に出迎えてくれたのは、やっぱり双子の姉妹だった。汗だくの私に冷たいタオルを差し出してくれる。気の利く母親か彼女のようだ。惚れないけど。
「先にお風呂にする? 父さんと母さんももう少しで帰って来るみたいだから先に入っちゃうといいよ」
「あ、まだ帰ってなかったんだ。じゃあそうする」
荷物を自室に放り投げて風呂に向かう。早速冷たいシャワーを頭からかぶったら冷たすぎて心臓がドキドキした。
風呂から上がると両親が帰っている。父さんと母さんはどちらが先に風呂に入るかで揉めていた。そんな二人を尻目にテーブルに着くと夜食が出される。やっぱり気の利く母親みたいだな。
「いただきます。……おいしい。冷や汁食べたかったんだ」
「良かった。まだあるからおかわりしても良いし、明日の朝に食べても良いよ」
双子ながらよく出来た子だと思う。この差はなんなのか? 冷や汁をおかわりしながら考えるも、答えは出ず、完食してしまった。




