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けっこう嬉しい、毎年のハム詰め合わせ

「今年も来たわ」

「いつものだね」

 宅配の荷物を受け取りに行った母が、大きな箱を両手で抱えて戻ってきた。その言い草から、早くも内容を察することが出来る。毎年、父方の親戚から送られてくる、ハムやソーセージなどの加工肉の詰め合わせセットである。

「今年はどうしましょうかね」

「私も紺もお弁当なくなっちゃったもんねえ」

 そう、例年であれば私と双子の姉妹、そして父のお弁当が豪華になる。夏休み期間中だけど部活があったから、お弁当は必須だったのだ。ところが私たちが高校三年生になり、部活動を引退してしまったため、お弁当が不要になってしまったのだ。私は家庭教師を頼んでいるから、ずっと家に居るし、塾に行っている紺も午後から行くことが多い。

「まあ、昼ごはんを豪華にするとか? あ、近所のパン屋さんでカンパーニュとかナンとか買ってきて挟む? 朝ごはんにいいんじゃない?」

「それだわ。賢いわねあなた。じゃあお金上げるから買ってきて。昼ごはんにちょっとやってみましょう」

 母に言われてお使いに出る。外はうだるような暑さで、うんざりする。これはパンのついでに冷たいジュースを買っても許されるのでは? なんて思っているうちにパン屋さんに着いた。店内は涼しくて救われた気分だ。入り口に置いてあったレモン水をありがたくもらって一気飲みする。お~いし~い。

 パンを適当に選んで店を出る。すぐにジュースを買い忘れたことに気付いたけど、戻る元気もなく、急いで帰った。

「おかえり」

「あ、紺が起きた」

 帰宅すると先程は寝ていた紺が、起きていた。まだパジャマだから本当に起きたばかりなのだろう。

「昨日遅かったもんね。お疲れ。パン買ってきたし、おいしいハム有るから、母さんと一緒に昼ごはんにしよう」

「わーい、ありがと~」

 パンをリビングまで運んで母の書斎に声をかける。仕事が落ち着いたら出てくるとのことなので食べるパンは勝手に選ぶことにした。


「すごい」

「あなた、家事力高いわねえ」

 紺と母の賞賛を浴びつつ、どや顔でサンドウィッチとサラダにスープを提供する。パンを選ぶだけのはずが、何故かしっかりランチの用意をしてしまった。まあ、いいんだ。写真に撮ったから、後で家庭教師してくれてる先生に送っておこう。できる女アピールするんだ。宿題はそれからだ。がんばる。がんばれ、私。

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